京都『梅園 河原町店』が百年近く守り続ける甘味だけの暖簾
「甘党ひとすじ」が生まれた理由
創業は1927(昭和2)年。当初は「みたらし団子」だけを提供する店として始まった。
当時掲げた「甘党ひとすじ」という言葉は、ほかの商品がなかった時代に生まれたものだという。その後、あんみつやぜんざい、季節の甘味が加わった今も、食事や軽食には手を広げず、甘味だけを届ける姿勢は変わらない。
長年にわたり積み重ねてきたこの一貫性こそが、同店の歩みを象徴している。
変わらない空間を守る手仕事
河原町界隈の景色が少しずつ移り変わる中でも、店内には昔ながらの空気が流れる。その落ち着いた雰囲気は、長い年月をただ重ねて生まれたものではない。ソファは自ら張り替え、椅子も塗り直しながら使い続ける。
古びたものをそのまま残すのではなく、創業当時から続く空気を損なわないよう手を入れ続けてきたのだそうだ。
店舗リーダーの山口祐一朗さんは「ここだけはずっとあるなと思ってもらえる店でありたい」と話す。その思いは、空間づくりにも表れている。
時代に合わせながら軸はぶらさない
一方で、時代の変化に合わせた工夫も重ねてきた。買い物や散策の途中に立ち寄り、甘味をゆっくり楽しめるよう、あんみつをはじめとした定番商品を充実。季節ごとの甘味も取り入れながら、訪れる人の楽しみを広げている。
新しい一品が加わっても、目指すのは流行を追うことではない。創業以来受け継ぐ味を大切にしながら、その時代に求められる甘味を届け続ける。変えるべきものと守るべきものを見極める姿勢が、暖簾を支えてきた。
創業から受け継ぐ「みたらし団子」
創業当初から作り続ける俵形の「みたらし団子」は、同店を象徴する一品。
四角い形はタレがしっかり絡むよう考えられたもので、店頭で焼き上げる香ばしさも魅力だ。
米粉と水だけで作る団子に、見た目よりもすっきりとした味わいのタレを合わせる。できたてのおいしさを味わってほしいとの思いから、賞味期限はあえて当日限り。創業以来変わらない一串には、その日ならではのおいしさを届けたいという思いが込められている。
四季折々の甘味で憩いの時間を
店内では「みたらし団子」に加え、季節の移ろいを感じられる甘味も充実する。なかでも通年で人気を集めるのが「クリームあんみつ 黒みつ添え」。
寒天や小豆あん、白玉、わらび餅に抹茶とバニラのアイスを合わせた食べ応えのある一品で、黒蜜と合わせることで全体がすっきりとした味わいにまとまる。
もう一つの人気メニューが、宇治抹茶を使った蜜をたっぷりとかけたかき氷「宇治金時白玉+抹茶わらび餅」。
抹茶の香りを引き立てるため、氷にかける蜜は店舗で少量ずつ炊き上げられ、さらにわらび餅や小豆と合わせることで、濃厚でありながら上品な余韻を楽しめる。
夏はかき氷、冬はぜんざいと、一年を通して季節ならではの甘味を味わえるのも、この店ならではの楽しみだ。
また訪れたくなる一軒を目指して
現在、京都市内には、それぞれ異なる役割を持つ店舗を展開している。新しい甘味や手土産を提案する店がある一方、河原町店が担うのは、創業の面影を残す甘味処としての役割だ。いつでも気軽に立ち寄り、いつもの味を楽しめる場所であり続けることを大切にしている。
店内の席数は決して多くないからこそ、短い時間の中でも心地よく過ごしてもらえる接客を何より大切にしているという。味はもちろん、店の空気や過ごす時間も含めて、「また来よう」と思ってもらえることが何よりの願いだ。
町並みが移り変わっても、ふと甘いものが恋しくなったときに思い出してもらえる一軒でありたい。その思いを胸に、今日も変わらぬ甘味を届けている。
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- 店名
- 梅園 河原町店
- 住所
- 京都府京都市中京区河原町三条下る山崎町234-4
- 電話番号
- 075-221-5017
- 営業時間
- 10:30~19:30(19:20LO)
- 定休日
- なし
- 交通
- 阪急京都河原町駅から徒歩5分
- メニュー
- みたらし団子(5本入)580円、クリームあんみつ 黒みつ添え1,180円※イートインのみ、宇治金時白玉+抹茶わらび餅1,680円※イートインのみ
- https://www.instagram.com/umezono_kyoto/

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