関西モーニング手帖Vol.12/朝から国産牛!『肉食堂 MATSU』のローストビーフサンド

朝から肉!? と驚かされる、ローストビーフたっぷりのサンドイッチ。しかも肉は国産牛。もともと焼き肉店を営んでいた店主の目利きと味へのこだわりが、パンに牛(ぎゅう)っと詰まっています。

朝7時から肉! 10食限定のローストビーフサンド

本庄東の住宅街にある『肉食堂 MATSU』。表の「モーニング」というノボリが目に止まります。肉のお店でモーニングとは意外ですが、入ってみると朝からご近所さんで賑わっています。

『肉食堂 MATSU』の外観
建物は30年以上接骨院だったそう。広々とした店内です。
10

「ここのローストビーフ食べたら、他で食べられなくなるで」と、絶賛するのは常連らしき女性。そのローストビーフはランチやディナーで丼として提供していますが、モーニングでは10食限定のサンドイッチという特別スタイルで出てきます。天然酵母の食パンに、国産牛の自家製ローストビーフを惜しげもなくサンド。低温調理でじっくり火入れして薄くスライスしています。

『肉食堂 MATSU』のローストビーフサンド
ローストビーフサンドのセット1500円。10食限定です!
『肉食堂 MATSU』のローストビーフサンド
10

国産牛とありますが「実際は黒毛和牛並みのランクです」と店主の松岡春男さん。とろりと口の中でほどけ、しっとりした口当たりは感動的。蜂蜜を表面に塗ってから、舞茸のみじん切りや重曹などを合わせた自家製ダレに漬け込んでいます。「舞茸の酵素が繊維をほぐして肉を柔らかくするんです」とのこと。上にかけるのは甘口でほんのりピリ辛のタレ。薄口醤油に三温糖、コチュジャンなどを配合した特製タレです。

『肉食堂 MATSU』のローストビーフ
10

「実は息子が銀座の焼肉店で勤めており、そこで学んだ味をうち流にアレンジしました」と松岡さん。ローストビーフ丼にもこのタレを使っており、今では店の要となる主力調味料です。

『肉食堂 MATSU』のローストビーフ漬け込み
10

鉄板で焼くオムレツがふかふかの卵サンド

「卵サンド」も朝の名物。肉とはかけ離れたメニューですが、オムレツを鉄板で焼き上げるという調理法には、やはり肉料理店のポテンシャルが発揮されています。卵は4個使い、マヨネーズと水を加えることでなめらかさを増しているのだとか。マヨネーズにも練乳を加えるなど、必ず一手間がプラスされています。

『肉食堂 MATSUの玉子鉄板で焼く
「鉄板は温度も大事だけれど油をしっかり熱することが重要!」とのこと。
『肉食堂 MATSU』のたまごサンド
1分も経たないうちにぽよんぽよんのオムレツになります。
『肉食堂 MATSU』のたまごサンド
チェダーチーズとスライスチーズもサンド。程よい塩気とコクが加わります。
10

ローストビーフサンドもそうですが、結構ボリュームがあるので「1個は持ち帰りにします」と言う人が多いそう。「でも、大体の方が『やっぱ食べてくわ』となりますね(笑)」。松岡さんの言葉には納得です。家に帰って温め直すよりも、美味しいうちに食べたーい!となります。

『肉食堂 MATSU』のたまごサンド
たまごサンドセット880円はサラダ、ドリンク付き。みずみずしささえ感じられる、ふわっふわのオムレツ。
10

焼肉店経営40年の目利きを活かして

そもそも松岡さん、高槻で40年ほど『やきにくやさん 牛亭』を営んでいたそのスジの人。長年の信頼関係で築いた仕入れルートを生かし、中間業者を省くことで、質のよい牛肉を手頃な価格で提供できるのです。

『肉食堂 MATSU』の松岡春男さん
松岡さん。なんとパン職人だった経歴もあるとのこと。多才ですね!
10

中崎町のこの地に移る前も天五中崎通で『牛匠matsu』という焼き肉店を経営していたので、行ったことがある方も多いかもしれません。その時も本気の焼き肉店でしたが、「昼も夜も気軽に肉料理を食べてほしい」との想いで、“肉食堂”の冠を付けて2022年5月にこの店をオープンしたのです。

『肉食堂 MATSU』のパン
10

「1日に朝も昼も来る人がいる」、そのランチとは

ランチも「ビビンバ」「ハラミ焼肉定食」「シシリアンライス」など、肉好きにはたまらないメニュー揃い。やはりおすすめはローストビーフ丼で、国産牛か黒毛和牛かを選ぶことができます。黒毛和牛でも2000円を切るので、ちょっと良いお肉を食べたい時に気軽に楽しめるのが有難いですね。

『肉食堂 MATSU』のローストビーフ丼
ローストビーフ丼(国産牛)1600円。夜も丼や定食がいただけます。
『肉食堂 MATSU』のローストビーフ
贅沢にライスを覆うロービーたち。黒毛和牛の場合は1800円。
温泉卵を絡めて至福の一匙です。
10

また「タコライス」も隠れた人気で、奥様が沖縄にルーツを持つことから生まれたメニューだそう。挽き肉で作るタコミートは、国産牛と黒毛和牛をミックスしてハンバーグから鉄板で作り、それをほぐしてスパイスで味付けする、肉肉しいミンチです。チーズをのせて、最後にバーナーで炙るので香りが立ちます。「ここのタコライス食べたら、他で食べられなくなるで」と、先の常連さんがまた店主に代わってPRしてくれました。

『肉食堂 MATSU』のタコライス
タコライス900円。ソースにはチリパウダー、ガーリック、クミンなどスパイスやハーブを独自の配合でブレンド。
『肉食堂 MATSU』のタコライス
この界隈は沖縄の人が多く、「現地で食べるよりも美味しい」との声もあるとか。
『肉食堂 MATSU』のタコライス
10

モーニングを始めたきっかけは、ご近所さんに「ここ喫茶店にしたらええやん、朝からやりぃな」とグイグイ薦められたことも大きな理由だそう。「近隣の方、ビジネスマン、近所の独り暮らしの方々。朝に来られた方はだいたい昼、夜もリピートしてくださいます」と松岡さん。同じ日に朝も昼も来る熱烈ファンがいるというのも、分かります。

『肉食堂 MATSU』の松岡春男さんと奥様
奥様と仲良く切り盛り。東京にいる娘さんがInstagramの投稿をしてくれるなど、家族ぐるみでお店を盛り上げています。
10
『肉食堂 MATSU』のたまごサンド
モーニングはトーストセット480円、店内で焼き上げるクロワッサンのセット610円なども。「オムレツもドリンクも付いてるので地域最安値やと思います!」と松岡さん。
10
『肉食堂 MATSU』の松岡春男さん
毎月第3日曜の豊崎神社のイベント「豊崎じんじん」にも出店し、タコスを販売しています。
10

writer

猫田しげる

nekota shigeru

北海道出身。20年以上、グルメ誌、新聞地域面、旅行本、レシピ本などの編集・ライター業に従事。各地を転々とした挙句、現在は関西在住。「FRIDAYデジタル」などのweb媒体で記事執筆。めったに更新しない猫田しげるの食ブログ 「クセの強い店が好きだ!」と恐ろしくフォロワー数の少ないInstagramをヨロシク!

recommend

読まれている記事

『あべのハルカス近鉄本店』お菓子売り場がリニューアル。百貨店初&関西初が続々!

兵庫・伊丹『KUROPURI』。フレンチのシェフが手がける「クロワッサン」と「プリン」の専門店

京都『和菓子&ワイン 養老軒』が届ける フルーツ大福とワインの楽しみ方

「りくろーおじさんのチーズケーキ」おいしい理由&並ばず買える方法も

安田淳一監督【前編】待ってました! 日本アカデミー賞「侍タイ」スピンオフドラマ放送。独占インタビュー

『資さんうどん』広報がこっそり教える!「実はコレも食べてほしい」隠れた名物

『粟玄』の和洋[大阪]老舗おこし屋のモダンな名品

絶対に失敗しない「くたくたブロッコリーのタラコスパゲッティ」『寺町コロンボ』のひと手間レシピ

【番外編】俳優・津田寛治さん絶賛の「おたべ」。進化系、変化球に驚き!

ギネスビールが生む深いコク。大阪・中津『IRISH CURRY』の名物ポークカレー