関西モーニング手帖Vol.18/京都の工場地帯にレトロ喫茶。自家生産米ランチも自慢の『喫茶 リゲル』
まるで教会のような、ザ・昭和喫茶建築
最寄駅はない、と言っても良いほど、電車でのアクセスは不便です。JR長岡京駅か阪急長岡天神駅からバスで行きましょう。もっとも、車で通勤して行き帰りに寄る人が多く、駐車場はたっぷり10台ほど停められます。
扉を開けると「うわあ」と歓声を上げてしまうほどのゴージャス空間。教会のような三角天井にシャンデリア、窓にはステンドグラス、アールを描いた天井装飾。建築好きやデザインの専門家もわざわざ見に来るというほど、ザ・昭和喫茶建築のスタイルを凝縮させた空間です。
サイフォンが並ぶカウンター。頑固なおじいさんマスターが立つのかと思えば、店主は若々しくにこやかな田中芳幸さん。実は、先代である父親・栄一さんが18歳の時に急逝したため、芳幸さんが料理の専門学校を出て20歳で店を継いだのだとか。先代の味を守りつつ、自身のオリジナリティを加えたメニューを増やし、モーニングにランチにお茶にと一日中お客さんが途切れない店になっています。
モーニングは王道のパンと卵とコーヒー
モーニングは、トーストにドリンクが付いたAセット600円、一番豪華なハムエッグモーニング900円など、パンニューが6種。多くの喫茶店で愛用する『オリエンタルベーカリー』のパンにマーガリンをたっぷり染み込ませたトーストは、これぞ喫茶店の朝食という王道の味です。
スクランブルエッグモーニングは、卵にかかっているのがケチャップではなくドレッシングというのがユニーク。聞くと創業時から変わらぬレシピの自家製ドレッシングだそうで、「お店で使うものは全て手作りしています」とのこと。
タマゴトーストモーニングは、スクランブルエッグと野菜を挟んだトーストサンドのセット。厚焼き玉子でもゆで卵でもない、オムレツっぽい玉子のやわやわ感がたまりません。
自家生産米で作るランチ目当てに昼は満席
レジ前には「自家生産米」と書かれた袋のお米が。まさか?と聞くと「自分で栽培している米です。もともと先代が自家生産野菜の移動販売をしていたので、その田畑を受け継いで、米や野菜を育てています」。つまり、喫茶店と農家の二足のわらじということです。
近所の人々はこの店を「ご飯屋さん」として認識している向きもあり、昼時には奥の別室まで満席になる混雑ぶり。カレー、オムライス、トンカツなど、力仕事のお客さんが多いためガッツリ系メニューが多く、中でも人気が「リゲル風 トルコライス」。普通の喫茶店ではあまり見ないですが、「自分の好きなものを全部盛り合わせて出来上がったメニュー。もともと賄いでした」とのこと。
しかし7時開店で、日曜と祝日しか休みがないのに、どうやって店と農業を両立させているのか不思議ですが、「早朝から閉店後まで動き回っています」という田中さん、相当ストイックです。
ドライカレー、トンカツ、デミグラスソースという、大人の夢を詰め込んだような一皿。デミグラスソースもカレーももちろん『リゲル』オリジナル。厨房には6つのコンロがあり、昼時にはフル稼働、しかもほぼワンオペで作るというから頭が下がります。
カレー粉がツブツブと見えるドライカレーはピリッと辛く、揚げたてのトンカツにコクのあるデミグラスソースがしみ込んでサクッとジュワッとジューシー。キャベツにもソースが絡んで、一緒に食べると「あー幸せ」と思わず声に出てしまいます。他にも、ハヤシカツライスや期間限定のドリアなどがあり、次はこれ食べようあれ食べようと想いを馳せます。
実はこんなに忙しい田中さん、さらに趣味でカメラにものめり込んでいて、プロ並みの機材を揃えて暇があれば撮影に出向いています。店内にもその力作が飾られているのでじっくり鑑賞してみては。
街中にあればたちまち超人気店になるだろうレトロ純喫茶ですが、まだ日中はゆったり過ごせます。たくさんの人に教えたいけど知られたくない、そんな隠したくなる1軒なのです。
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- 店名
- 喫茶 リゲル
- 住所
- 京都市伏見区羽束師古川町32
- 営業時間
- 7:00〜19:00(土曜は~16:00)※モーニングは7:00〜11:00
- 定休日
- 日曜、祝日
- 交通
- JR長岡京駅から徒歩20分。京都市バス・阪急バス「工業団地前」停留所すぐ
- メニュー
- トーストモーニング600円、カレー780円、牛丼930円、フルーツパフェ930円。コーヒー600円、アイスコーヒー600円、ハワイアンクリームソーダ700円。
- https://www.instagram.com/coffee_rigel/
- 備考
- ※喫煙可
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