名物ランチは海鮮を豪快に味わう「ばくだん丼ぶり」、大阪・ウラなんば『本格炉端焼き人夢叶思』

ウラなんば黎明期から暖簾を掲げる『本格炉端焼き人夢叶思(ひとむかし)』。夜は旬の鮮魚を目の前で焼き上げる炉端焼きだが、昼は特別感のある丼やお重、定食が評判。その人気の理由をご紹介。

押し寄せる食感に浸りたい「ばくだん丼ぶり」

道具屋筋から一本入った路地裏にひっそりと佇む『本格炉端焼き人夢叶思』。ランチタイムの看板は数量限定の「ばくだん丼ぶり」だ。

登場した途端、目に入るのはまるでスパークする花火のように色鮮やかで贅沢にのったイクラ。周囲には美しく角切りにされた沢庵や大葉、海苔、ワサビが盛られている。そのイクラの下に潜む魚介のタタキこそが“爆弾”だ。

『本格炉端焼き人夢叶思』ばくだん丼ぶり
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爆弾は、本マグロ入りのネギトロをベースに、コリコリとした水ダコの吸盤やプチプチとした海藻、シャキシャキとしたキュウリや白ネギなどが混ぜ合わされ、まさに爆弾の如く塊となってご飯の上に置かれる。口へ運ぶとネギトロの旨みに混じって、あらゆる食感とイクラの塩気やコク、大葉やワサビの香りが押し寄せる。

さらに山盛りの具材を支えるご飯までおいしいのがファンの心をぐっと掴むポイント。鳥取県の農家から直送されるツヤピカのコシヒカリか十六穀米を選べるというから嬉しい。

仕掛けられた3度の味変

「ばくだん丼ぶり」には、試してほしい食べ方がある。まずは「刺身醤油だと醤油の味が勝ちすぎてしまう」との思いで選んだというスッキリとした出汁醤油をかけて。

次いで別皿に盛られた、ごまだれがけの刺身(この日はハマチ)を丼にオン。濃厚なコクをプラスする。

最後は卵とだしを絡めた山芋のとろろを流し、ずずっと掻き込むように締める。

間に冷奴や漬物をつまみながら楽しむ3段階の味変。最後のひと口まで食べ手を飽きさせない設計に感激する。

ウニを豪快にのせた「うにのせ ばくだん丼ぶり」もあるので、ゴージャスに決めたい日にはぜひ。

『本格炉端焼き人夢叶思』ばくだん丼ぶり
ばくだん丼ぶり1800円。イクラの下には板前の青谷治権さんが丁寧に叩いたネギトロが潜む。河童が描かれた器にはだし醤油が入っている。平日は約50食、週末は約80食が出るという人気ぶり。
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『本格炉端焼き人夢叶思』うにのせ ばくだん丼ぶり
うにのせ ばくだん丼ぶり4500円。こちらはウニを目当てに訪れた外国人観光客に人気。
『本格炉端焼き人夢叶思』うにのせ ばくだん丼ぶり
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10年ぶりに復活!甘醤油ダレで味わう「鹿児島黒豚重」

この他にも、ウニイクラ丼や生本マグロ丼、海老天丼、アナゴ天丼など、多彩なランチメニューがあるが、ファンの熱い声に応えて約10年ぶりに復活を遂げた注目のメニューが「鹿児島黒豚重」だ。

遠赤外線の焼き台を巧みに操り、絶妙な火入れで焼き上げるのは、脂が甘く、肉の旨みが濃厚だという鹿児島県産黒豚の肩ロース。1食につき110〜120gもの肉を惜しみなく使い、鰻の蒲焼をイメージしたという醤油ベースの特製甘ダレに浸しながらジュジュッと焼くと、香ばしさが店内に充満。食欲を激しく刺激する。

薄切りにすることで焼き上がりは柔らかく、黒豚の脂の甘みとタレの奥深いコクがご飯に染み込み、箸が止まらなくなる。膳には紅白なますやキムチ、もやしナムルといった野菜が添えられ、箸休めとして食べたり、丼にのせたりして味変できるのも最高だ。

『本格炉端焼き人夢叶思』鹿児島黒豚重
鹿児島黒豚重1500円。醤油ベースの甘ダレは蒲焼ほど濃すぎず、すっきりとした味わいが特徴。鹿児島県産豚の脂の甘みと口の中で渾然一体に。
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『本格炉端焼き人夢叶思』調理する様子
炉端の焼き台で黒豚を焼く板前の青谷さん。遠赤外線効果でジューシーに焼き上げる。手元が見え、香りがダイレクトに伝わるカウンターは特等席だ。
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どのランチにもつく味噌汁も紹介しておきたい。
こちらの味噌汁は、毎日引くだしを冷まし、豆腐やボイルワカメ、新タマネギといった具材を入れてから味噌を溶き、注文が通ってから加熱。 こうすることで味噌の麹の風味が豊かで新タマネギがシャキシャキに仕上がるのだとか。高級日本料理店のような手間と配慮に感激してしまう。

吉本芸人や著名人が愛した、臨場感あふれる特等席

「なんばグランド花月」や「大阪府立体育館」に近い立地から、古くは芸人やその関係者、力士など、多くの食通たちがお忍びで通った歴史を持つ。それに加え、現在は近所で働くオフィスワーカーや国内外の観光客が入り混じる空気感も面白い。

ウラなんばの歴史を見守ってきたこの空間で、五感を満たすちょっと贅沢なおでかけランチを楽しんでみてほしい。

『本格炉端焼き人夢叶思』店内
落ち着きある店内。カウンター席は目の前で料理が仕上がっていくライブ感に満ちている。
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『本格炉端焼き人夢叶思』外観
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おしごとランチ、おでかけランチ

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writer

佐藤 良子

satoryoko

料理取材に徹して20年の食ライター。歴史が好きなため、料理史の観点から見るレストラン取材がライフワーク。日々賑やかな小学生2児の母。
Instagram@ryocosugar