歴史ある邸宅で、点心主役に昼から優雅なお茶会を。大阪・昭和町『はな華』

大正時代の面影を残す有形文化財の建物にある、香港式点心の専門店『はな華』。休日のお出かけを特別なものにする至福のお茶会ランチをご紹介。

歴史息づく空間で味わう、手作り香港点心

昭和町駅の裏手に建つ「寺西家住宅」は、登録有形文化財に指定されている大正時代の戸建て住宅。その庭にあった納屋をリノベーションしたのが『はな華』だ。

店を切り盛りするのは、サービス担当の寺西芳友さんと料理を担う妻の純さん。昭和町のビルの一室で『s.201』という点心店を営んでいたが、2020年に現在の場所へ移転。店名も新たに再スタートを切った。

中国・河南省出身の純さんはもともと料理人ではなかったが、心斎橋の広東料理の名門『福臨門酒家』(現在は閉店)の点心師や香港人シェフに師事し、本場の技術を習得。以来、毎日厨房で点心を包み続け、自らの腕を磨き上げてきた。純さんは「点心は幼い頃から親しんできた故郷の味。『この味が正解』という感覚は、身体に染みついていました。2人の師匠に技術を学び、毎日作り続けることで形にしてきました」と話す。

『はな華』料理担当の寺西純さん
調理担当の朗らかな笑顔が素敵な純さん。
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『はな華』外観
大正時代に建てられた風情ある外観。庭園に面する納屋をリノベーションしたという。
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『はな華』店内
木の温もりを感じる店内。庭の緑を眺めながらまったりとした時間を過ごせる。
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点心6種を堪能する至福のお茶会ランチ

休日に訪れるなら、迷わず選びたいのが「はな華お茶会ランチ」。前菜から点心6種、シメの1品、ココナツミルク(もしくは酒のあて)、中国茶をはじめとするドリンクまで付く、満足感あるスペシャルな内容だ。

前菜は「牛スネ肉の醤油ダレ煮込み」が登場。特製ダレでじっくりと煮込まれる牛スネ肉は、八角や山椒など6〜8種類のスパイスの香りが複雑に絡み合い、鼻腔を抜ける奥深い香りがたまらない。

『はな華』お茶会ランチ 牛スネ肉の醤油ダレ煮込み
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お目当ての点心は、蒸し物、焼き物、揚げ物がバランスよく供される。

まず目を引くのが、看板の「小籠包」。山形県産豚肉の赤身と脂身の黄金比を追求した餡から、金華ハムと香味野菜をじっくり煮込んだ上湯(シャンタン)が溢れ出し、その深みある味わいに思わず圧倒される。お隣の生の餅米を粗挽き豚肉の餡にまぶして蒸す「餅米焼売」は、ジューシーな肉汁と豚の甘みがモチモチの餅米とともに口の中でひとつに。

続いて、美しく透き通った「水晶餃子」。モチモチの皮に包まれるのは、香港では定番のパクチー&ピーナッツとエビ&ニラの2種。

そして五香粉香る「餅米の揚げ餃子」は、サクサクとしたほんのり甘い生地の中にエビ・鶏もも肉・椎茸がぎっしり。10分以上かけてじっくり焼き上げる「大根餅」は大根の甘みが香ばしさの中にじんわりと広がる。

『はな華』お茶会ランチ 餅米焼売・小籠包
『はな華』お茶会ランチ 水晶餃子2種
ぷるんと透き通った皮が美しい「水晶餃子」。
『はな華』お茶会ランチ 餅米の揚げ餃子・大根餅
具にシナモンや八角を効かせた「餅米の揚げ餃子」と表面はカリッと中はふわふわ食感の「大根餅」。
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「香港では点心といえば、好きなものを単品で注文するのが一般的ですが、少しずついろいろ食べたい日本に合わせ、この内容にしました」と純さん。これら6種類もの点心が、2種類ずつ熱々の状態で供されるコース仕立てが嬉しいのだ。

シメは、内容がその時々で変わる麺料理で、取材時は純さんが好きだという四川風「麻婆豆腐の混ぜ麺」が。風味豊かな全粒粉の平打ち麺に、自家製豆板醤を使ったシビ辛い麻婆餡が絡む。この他、香港式焼きそばや冷やし担々麺なども登場するといい、訪れるたびの楽しみになりそうだ。

そして最後を締めくくるのは、香港の定番デザートだという「ココナッツミルク」。口に運ぶと、甘やかな余韻のなか、シビ辛さで火照った口がリセットされていく。

『はな華』お茶会ランチ 麻婆豆腐の混ぜ麺
『はな華』お茶会ランチ ココナッツミルク
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『はな華』お茶会ランチ
「はな華お茶会ランチ」2900円。点心は2種類ずつ提供してくれる。シメの1品は「麺が食べられない人のために」と、水餃子、ちまき、豚バラ丼(下記参照)に変更可能。
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ファミリー向けの「お子様セット」も

大人だけでなく、子ども連れのファミリーも温かく迎えてくれる。

3歳~6歳までの幼児向けに用意された「お子様セット」は、小籠包や蒸し餃子、水晶餃子など6種類の点心とオレンジジュースがセットに。パクチーやピーナッツなど、辛いスパイスやクセのある食材は使われていない。

ただ、店内の床が石畳のため、子どもの転倒には注意が必要。「危険性があることをお伝えした上で、安全な場所にベビーカーを置いていただくようお願いしています」と芳友さん。

『はな華』お子様セット
お子様セット1400円。点心独特のもちもちとした食感や優しい味わいは子どもたちにも人気という。
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本場の味を気軽にテイクアウト

豊富なテイクアウトメニューも魅力。なかでもお値打ちなのが、「豚バラ丼」または「ちまき」の選べるメインに、点心が3種類5個付く「お昼のお弁当」。

メインの「豚バラ丼」について、「もともとは香港の骨付き豚肉の豆豉(トウチ)蒸し『拝骨(パイクー)』という料理ですが、食べやすいように骨なしの豚バラ肉を使ってアレンジし、さらに丼にしました」と純さん。 ハラッと口のなかでほどけるジャスミンライスを組み合わせ、まるで本場香港の街角の食堂で頬張っているかのようだ。加えて、ネギ蒸し餃子や焼売など、点心3種(計5個)がセットに。

イートインが難しい日も、この一折があれば香港の食卓がそっと日常に寄り添ってくれるのだ。イートインでも、テイクアウトでも、家族連れでも。手作り香港点心がランチタイムを豊かにしてくれる。

『はな華』テイクアウトメニュー「お昼のお弁当」
本場の味を気軽に持ち帰れる「お昼のお弁当」1300円。四国産豚バラ肉に豆豉を揉み込み、蒸し上げて作るその味わいは、肉の芯まで豆豉のコクが染み込み、奥深い旨味が印象的。11時30分〜15時まで注文可能。店内の混み具合によっては、テイクアウトの対応が難しい場合もあるため予約がベター。提供までちまきは20分、丼ものは15分程度必要。
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おしごとランチ、おでかけランチ

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writer

佐藤 良子

satoryoko

料理取材に徹して20年の食ライター。歴史が好きなため、料理史の観点から見るレストラン取材がライフワーク。日々賑やかな小学生2児の母。
Instagram@ryocosugar