中央公会堂を臨みながら、スペインの伝統料理を昼から堪能。大阪・北浜『エル・ポニエンテ』
中央公会堂を臨む特等席で、伝統の味を堪能
オーナーシェフの小西由企夫さんは、スペイン各地の料理を日本に紹介してきた先駆者だ。
1980年代初頭に20歳でスペインへ渡り、現地で研鑽を積んだ。当時、スペインの料理業界は軽い味わいや華麗な盛り付けといったモダンなスタイルへ移行する変革期だったが、小西さんが惹かれたのは奇をてらわない、土地に根付いた純朴な地方料理。以来その味を追求し、1998年に『エル・ポニエンテ』を開業した。
「当店の料理は、80年代のスペイン料理を再現したもの。日本人向けのアレンジは加えておらず、スペイン人が美味しいと思う味です。スペイン人のお客さまが、こうした料理は母国でも食べられなくなったと喜んでくれます」。
2000円台が嬉しい!「魚のランチ」
リーズナブルに楽しめる「魚のランチ」は、スープとメインの魚料理、デザート、パン、カフェという充実の内容。
今月のスープはアンダルシア風のガスパッチョだ。「欠かせないのは余ったパン。元々は暑いアンダルシアで、畑仕事のカロリー補給として食べられていました。栄養価が高く、完全食品と言われているんですよ」と小西シェフ。伝統料理の背景を教えてくれるから、ワクワクが止まらない。
そしてメインはバスク風の蒸し煮「舌平目の玉葱風味」。甘みを引き出したタマネギとアサリ、白ワイン、魚のだしを舌平目と共に一つの鍋で一気に火を入れる。素材の旨みを逃さずひとつの鍋で完結させるのがスペイン料理の真骨頂。肉厚な舌平目の間に忍ばせたデュクセルが、レストランならではの奥行きを添える。
2つの土地を旅する「肉のランチ」
もちろん肉料理をメインにしたランチもあり、「魚のランチ」と共通のスープに前菜一品が加わる構成。
温かい前菜「帆立貝の天火焼き ガリシア風」は、海産物が新鮮なため味付けを最小限にとどめる、同地方の流儀にならった一品だ。
メインは「イベリコ豚肩ロースのグリル 蜂蜜・シェリービネガーソース」。ハチミツの濃厚なコクに、南スペイン・ヘレスの街でしか造ることが許されないシェリービネガーの力強い酸味とキレ。香ばしくグリルした肩ロースに甘酸っぱいソースが絡み、最後の一口まで飽きさせない。
パエリヤの単品カスタマイズもOK!
さらにゴージャスに楽しみたいなら、単品メニューからパエリヤの注文を。定番のバレンシア風や魚介、パスタで作る「フィデウア」、イカ墨など約10種がそろい、追加すると自分たちだけのシェアコースが完成。焼き上がりまでの約30分、前菜やメインを味わいながら待つ時間も楽しいひと時だ。
中央公会堂を臨み、水都・大阪の川面がきらめく特等席で、日本のスペイン料理を切り拓いた第一人者の味が2000円台から楽しめる。会食などのビジネスランチから、週末のおでかけ、そして他府県からの友人をもてなす特別な一日まで、きっと応えてくれる。
data
- 店名
- エル・ポニエンテ
- 住所
- 大阪府大阪市中央区北浜2-1-21 つねなりビル1階
- 場所
- 06-6220-6868
- 営業時間
- 11:30〜14:00LO、17:00〜21:00LO
- 定休日
- 日曜
- 交通
- 地下鉄御堂筋淀屋橋駅、京阪淀屋橋駅から徒歩3〜4分
- 席数
- テーブル20席、カウンター6席
- メニュー
- 昼/シェフのおすすめランチ9680円、スペイン風ブイヤベースと貝のないパエリアのランチコース11000円、夜/野菜の炭火焼き冷製サラダ・エスカリバダ2090円、イカの墨煮2750円、仔羊のグリル羊飼い風3300円、パスタのパエリヤ(2人前)4400円。
writer

佐藤 良子
satoryoko
料理取材に徹して20年の食ライター。歴史が好きなため、料理史の観点から見るレストラン取材がライフワーク。日々賑やかな小学生2児の母。
Instagram@ryocosugar
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