大阪・谷町四丁目『RAINDROP』でポルトガルランチがスタート。ビファーナにフランセジーニャも

難波宮跡公園内にある商業施設『なノにわ』。その中に店を構えるダイナー『RAINDROP』で、この夏、ポルトガルランチがスタートした。腕を振るうのは、数々の名店で経験を積み、『島之内フジマル醸造所』のシェフを長年務めた岡 学(おかまなぶ)さん。日本人の琴線に触れるという、ポルトガル料理の魅力とは?

どこか懐かしいポルトガル料理

『RAINDROP』は『ワインショップFUJIMARU』が手がける一軒。朝から晩までノンストップ営業の使い勝手のいいダイナーだ。FUJIMARUグループが取り揃えるワインと同様、生産者の見える素材を大切にし、イタリア料理を軸にジャンルレスな料理を展開している。

『RAINDROP』店内
青々とした芝生が広がる難波宮跡公園を見渡す店内。窓際の席が特等席。
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そんな一軒で、この8月から大阪ではまだ珍しいポルトガル料理のランチがスタートした。

きっかけは、近年注目を集めるポルトガルワインを機に、岡シェフが現地を旅し、各地の料理を食べ歩いたこと。

「滞在中ずっとポルトガル料理を食べていましたが、胃の疲れが全くありませんでした。米料理も含めて日本でもなじみのある食材を活かした調理法が多く、魚も肉も、骨ごと使って引く優しいだし感が料理の芯にあります。知らない国の味なのに、どこか懐かしいと感じました」と話す。

煮込んだ豚肉を豪快に挟む国民食

「まずはポルトガル料理を知ってもらいたかったので、国民食をあえて日本風にアレンジせず提供することにしました」と岡シェフ。

ランチは全3種類を用意。今回まず紹介するのは、ポルトガル全土のカフェやバルで親しまれている国民的ファストフード「ビファーナ」。

にんにくとパプリカパウダーでマリネし、鶏のスープで煮込んだ薄切りの豚バラ肉を、カルカーサと呼ばれるパンにたっぷり挟んだ一品だ。

マリネに使うエスペレット(唐辛子)を、ニンニクと相性のいい韓国唐辛子に置き換え、シャープな辛味をアクセントに。パンはリュスティック生地をベースにした自家製で、現地のようなクリスピーな食感を目指した。豚バラ肉の旨みとその煮汁を、香ばしいパンがしっかりと受け止める。

『RAINDROP』ビファーナランチ
ビファーナランチ1650円。「まるで生姜が入っていない豚の生姜焼きのような、日本人に親しみのある味わいでしょ?」とにこやかに話すのはオーナーの藤丸智史さん。パプリカの香りが効きながらも、どこか懐かしい味わいだ。リーフサラダ、野菜のマリネ、季節のスープ、ジェラート付き。グラスワイン900円〜。
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肉の旨みを重ねた、主菜のようなサンド

もう1品紹介するのは、ポルトガル北部の港湾都市・ポルトで1950年代に生まれたという料理「フランセジーニャ」。

『RAINDROP』フランセジーニャ
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食パンの間には、牛ステーキやソーセージ、ハム、チョリソーなど数種類の肉をサンド。さらに溶かしたチーズと自家製ソースをたっぷりとかけ、目玉焼きをのせる。パン料理でありながら、肉々しさ溢れる主菜のような存在感。“フランスの女の子”を意味するネーミングからは想像もつかないほどのボリュームで、現地では学生たちにも人気だという。

器にたっぷりと注ぐソースは、牛骨のスープとトマトをベースに、自家製の発酵パイナップルソースで柔らかな酸味を加えたもの。

「現地で一番おいしかったフランセジーニャがクラフトビール店で食べたものでした。作り方を聞くと、味の決め手はチェリービールの酸味。その事実から、フルーティーな酸味を加えるために、発酵パイナップルソースを使いました」と岡シェフ。

フランセジーニャをカットしてみると、中には牛赤身ステーキ、香ばしく焼いたソーセージ、ハム、スパイシーなチョリソーが層状に重なる。シャルキュトリー(加工肉)づくりが盛んなポルトガルらしい一品であり、噛むほどに多彩な肉の旨みが広がる。そこに、ほのかに甘い食パンとソースの酸味が口の中で一体となる。

『RAINDROP』フランセジーニャ
フランセジーニャランチ3000円。肉の旨みと、たっぷりかかったソースの酸味が見事に調和する。スープ、サラダ、ジェラート付き。ポルトガルランチはこのほか、スープで米を煮込む、アローシュランチも用意されている。
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注目のポルトガルワインを、料理と共に

いずれのポルトガルランチにも付く季節のスープは、藤丸さんや岡シェフが、ポルトガルでも特に気に入ったという現地の野菜スープを表現したもの。

「ポルトガルで食べたスープは驚くほど塩分がなく、素材の味が前に出ていました。加工肉の塩分がスープへ溶け出し、味わいを形作っているのが印象的で、行く先々の店でスープを注文するのが楽しみだったんです」と藤丸さん。

今回の季節のスープは、トマトベースの冷製スープ。そこに、蒸してそぼろ状にした卵白とトマトパウダー、赤シソのような酸味と香りを持つ中東のスパイス「スマック」をまぶし、複雑味を加えた。暑い季節に口をさっぱりさせてくれる一杯だ。有機リーフのサラダが付くのも嬉しい。

『RAINDROP』ランチのサラダとスープ
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『RAINDROP』ミルクジェラート
この日のジェラートはミルクジェラート。コーヒー600円。春や秋は芝生を臨むテラス席もおすすめ。
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ワインのプロである藤丸さんによると、「海からの寒流が夜間に畑を冷やすポルトガルは、温暖化の時代でもおいしさを保てる注目のワイン産地です。ポートワインで知られる造り手がスティルワイン(一般的なワイン)を造ったところ、ブルゴーニュのトップクラスと見紛う品質だったと、ワイン業界で話題になったこともありました」といい、ポルトガルは話題に尽きない産地だそう。

どこか懐かしく、それでいて新鮮。そんなポルトガル料理を、昼からワイン片手に楽しみたい。

『RAINDROP』ワイン
ポルトガル産ワインはグラスで常時で楽しめるほか、ボトルも多数用意。ソムリエに好みを伝えてみて。
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『RAINDROP』外観
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おしごとランチ、おでかけランチ

限られた時間と予算で、つい無難に済ませがちな毎日のランチ。
コスパ重視からちょっとした贅沢まで、明日行ける”ちょうどいい”一軒をご紹介。

詳しくはこちら

writer

佐藤 良子

satoryoko

料理取材に徹して20年の食ライター。歴史が好きなため、料理史の観点から見るレストラン取材がライフワーク。日々賑やかな小学生2児の母。
Instagram@ryocosugar

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