大阪『ポアール』のプチシュー。みんな笑顔になる、本格洋菓子店・不朽の名作。
帝塚山マダム御用達の本格洋菓子店
大阪屈指のお屋敷街・帝塚山。賑やかな大阪のイメージとは異なる、気品漂う閑静な住宅地に、1969年に誕生した洋菓子専門店『ポアール』。今では『帝塚山本店』、『あべのハルカス店』などの4店舗のほか、北新地には焼きたてフィナンシェ専門店『ポアール・ル・ボン・ブール』、新大阪の駅構内『PLUSTA Gift Shin-Osaka』にも焼き菓子を置いていて、大阪ギフトとして大活躍。
大阪の本格洋菓子の歴史をけん引してきたこの店の創業当時からのロングセラー・プチシュー。それは老若男女誰をも笑顔にするキュートなお菓子だ。
帝塚山本店は、いつ訪れてもたくさんの人でにぎわっている。
1階はまるで宝石箱。洒落た焼き菓子、大人のハートをくすぐるショコラ、アイスクリームなどなど、常に目新しいお菓子で溢れていてキラキラしている。生ケーキのショーケースもどれもこれも食べたくなるスイーツばかり。それでも、やっぱり外せないのはプチシュー。小さな姿と、しっとり柔らかな生地、生地とクリームが一緒になって口溶けると、ああこれこれと懐かしさにニンマリする人も多い。ところが…。
少しずつ変わっているプチシュー
創業当初からあるプチシューは、ずっと変わらない味として親しまれているけれど、実は、少しずつ進化しているのだそう。
「バニラ・ビーンズの産地や種類を見直し、砂糖の量を減らしたり、パフを切らずに下から注入するように変えたり」、色々進化しているのだ。とはいえ、ジャンボサイズや、ガリッと堅いシュー生地が流行っても、そこはどこ吹く風。ガラリと変えることはなくただ同じベクトルで、「常にベターをめざしていくと、それがベスト」と、進化させ続けているらしい。
素材の良さには定評のある『ポアール』だけど、いろいろ物価高の昨今。バニラビーンズもコロナ前に驚くほど高騰し、バニラ風味の香料にこっそり代えているパティスリーも多いと聞くが。「値段が上がりすぎて困ったなと思っていたら、たまたまマダガスカル産が手に入るという人と知り合いまして」と、ビッグ・スマイルを見せるのは2代目・辻󠄀井良樹さん。
食べた後に、食べたことを忘れるほど軽やかにしたい―という願いを叶えられる最上のバニラビーンズが手に入っているという。
「お菓子の甘さをどこまで抑えられるかは、ひとつの課題。良質なバニラビーンズなら、自然な甘い香りの分、甘みは抑えられるんです」
季節限定などの種類も多彩
プチシューには、ショコラをコーディングした「プチエクレア」という仲間がいて、ハーフ&ハーフの「プティ・タ・プティ」も定番だ。さらに完熟イチゴとイチゴチョコを載せたイチゴプチシューとのハーフ&ハーフ「プティ・タ・プティ フレーズ(『あべのハルカス店』限定)」や、呑んだくれのプチシューと題した6つのお酒のガナッシュが楽しめる「プティシュ・アルコリック(期間限定)」なんて仲間も増えた。
「プチシューが酔っぱらったら、って考案したものです。ほかにも季節限定で、きなこクリームとか、夏はミックスジューシュー(ジュースじゃなく、シュークリームのシュー)とか、ほうじ茶、抹茶とかも」
これおいしんちゃうと急に作ってみたりするのだそう。面白がりは、さすが大阪人。「シュークリームは千円札で買えるくらいがいいでしょ!」と、プチシューは1箱994円とコスパも最高。
イートインではもうひとつの名物をぜひ
プチシューはせっかく本店に来たなら、2階のカフェで生ケーキと一緒に味わいたいもの。ケーキをどれにしようか迷ったら、おすすめは、モンブラン。
よくあるモンブランとは佇まいから違う。これは…「欧州最高峰の山の姿をかたどっています」。
2枚のマロンペーストは、ホワイトチョコを隠し味にした滑らかな舌触り。中には、カスタードクリームと生クリーム、底にロールケーキが潜んでいる。
「これは、山の形も、レシピも創業当時から変わりません。完璧で変えようがないんです」と辻󠄀井さん。
進化の幅があれば進化させるけれど、このままが最高においしいものは、変えない。なるほど。ショートケーキ、チョコ、そしてモンブランは、常にトップ3を堅持しているとか。不動の名物を味わってみて。
data
- 店名
- ポアール 帝塚山本店
- 住所
- 大阪府大阪市阿倍野区帝塚山1-6-16
- 電話番号
- 06-6623-1101
- 営業時間
- 売店/9:00~20:00、喫茶/9:00~20:00(19:30LO)
※Xmas・年末年始期間は営業時間が異なります。
- 定休日
- 年中無休 ※元旦のみ休み
- 交通
- 阪堺姫松駅から徒歩1分
- 席数
- カウンター9席、テーブル17席
- メニュー
- モンブラン832円、プチシュー(8個入り)994円、プティ・タ・プティ1221円。
- 公式サイト
- https://poire.co.jp/
- https://www.instagram.com/poire.jp/
- https://www.facebook.com/poire.jp/

writer

団田 芳子
danda yoshiko
食・旅・大阪を愛するフリーのフードライター。その地の歴史や物語を感じる食べ物・気質・酒が好物。料理人さんに“姐さん”と呼ばれると、己の年齢を感じつつもちょっとウレシイ。著書に『私がホレた旨し店 大阪』(西日本出版社)、 『ポケット版大阪名物』(新潮文庫・共著)ほか。
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