「クラブ・デュ・タスキドール」主催。フランス料理講習会<後編> 熟練シェフの調理実演。

「クラブ・デュ・タスキドール」の第12回フランス料理講習会。この日は大阪での開催とあり、大阪と兵庫から2軒のベテラン料理人が講師として登場。『ル ポンドシェル』の小楠 修総料理長と『ルセット』依田英敏シェフ。一般受講も可能で、会場には若い世代の聴講者が多く見られました。

シェフ達の実演に熱視線、注がれる

上柿元 勝会長の挨拶ののち、講習が始まりました。
最初に登壇したのは大阪を代表するグランメゾンのひとつ『ル ポンドシェル』から小楠 修総料理長。同店は1973年に開店し、50年以上。フランスから幾人ものシェフを招聘し、フランス料理の伝統と各時代のモードを伝え続けてきた一軒です。
小楠さんは同店に94年に入社し32年目となるベテランです。

全体の司会進行は『リュミエール』の唐渡 泰シェフ(写真左端)が務めました。理事も登壇者もフランス料理界の重鎮ばかり。キャリアに関係なく、一体となって講習会を運営しています。
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実演する小楠シェフの隣で、料理人が的確かつ鋭い質問を投げかけ解説も。この日のステージの進行役は『プレスキル』佐々木康二シェフが務めました。
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実演と試食。レシピも公開

小楠シェフの1品目は「蟹のリエットとちりめんキャベツ 蟹のコンソメジュレとキャビア」。

蟹の殻でコンソメを取る手法と、それをゼラチンで固めたシートの作り方など1つ1つ丁寧に解説しつつ実演していきます。
蟹のリエットは、ほぐした蟹の身、アボカド、エシャロットなどと調味料を混ぜ合わせたもの。その上に茹でたちりめんキャベツ、蟹のコンソメ、キャビアをのせて。
周りには林檎と白ワインと鶏のダシで仕立てたソースをあしらった、複層的な構成。 会場内の参加者にはそれぞれに試食も配られ、味も覚えながら学ぶことができます。

小楠シェフによる1品目「蟹のリエットとちりめんキャベツ 蟹のコンソメジュレとキャビア」。
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続いて披露したのは大和肉鶏を使った、鶏の2種類の調理法です。
使う部位は、胸肉と股肉。レバーやガラで取るジュ(だし)などそれぞれの調理法も細かく解説し、レシピも配布されています。
胸肉はタイムやニンニクなどと一緒に真空パックしてスチームコンベクションオーブンで1度目の加熱をし、取り出したあとさらに温度を変えて1時間。最後に皮目をサラマンダーで焼き、中はしっとり外はパリッとした仕上げに。

2品目は鶏の2種の調理法を披露。こちらは「胸肉のローストポテトのフォンダンとほうれん草のスナッケ」。
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「股肉のフォアグラファルシ 菊芋のピューレ シェリー酒のソースとジュ」。
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一方股肉は、開いて黒トリュフやソテーした鶏レバー、香味野菜を合わせたものとフォアグラを巻き込んでラップで包みスチームコンベクションオーブンで50分間加熱して仕上げます。

下処理から、火入れ方法、合わせるソースから付け合わせの野菜の扱いまでグランメゾンの手間暇かけた料理が披露されて、まるでレストランの厨房に潜入したかのような濃密な講習時間です。現役の料理人にとっても、また未来のフランス料理界を引っ張っていくシェフの卵たちにとっても貴重な学びの機会となりました。

ジビエ名人は月の輪熊の煮込みを披露

2人目に登壇したのは、神戸・北野にある「ルセット」の依田英敏シェフです。 1990年代よりジビエをオンメニューし、国内外から届く雷鳥や山シギ、イノシシなど、数々の狩猟獣を扱っており、“ジビエの名手”として知られています。

ジビエとは何か、定義や歴史を説明しながら依田さんの講義と実演が始まります。 そしてこの日の食材は月の輪熊の掌。日頃、目にすることも扱う機会も少ない食材の登場に来場者も興味深くシェフの調理に見入っていました。

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厨房でのジビエの下処理といえば羽や毛をむしるところから。会場でも、熊の爪や体毛が付いた状態から実演されました。

「熊の掌を使う中華料理の料理人に下処理の方法を訊ねてみたのですがとても時間が掛かり、力もいると。なんとか簡単にできる方法はないかと考えました」と依田さん。披露したのは、水、白ワイン、岩塩、ハーブと熊の掌を圧力鍋で煮込むという手法です。

50分間加熱し、簡単に皮を剥ぎ爪も取り除く様子をステージで実演。続けてさらに赤ワインを加えて強火で煮込んでいきます。そこへジビエで取っただしも加えて煮るという、依田さんならではの一品です。

「月の輪熊の掌のラグー 根セロリのクーリー添え」。
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このような専門的な技術やレシピなどを惜しみなく披露する講習会。「クラブ・デュ・タスキドール」では今後も、一般参加が可能な講習会やチャリティー食事会などのイベントを実施予定です。参加してみたい方はホームページやSNSで発信される開催情報をお見逃しなく。

「クラブ・デュ・タスキドール」主催。フランス料理講習会<前編>

上柿元 勝会長に聞く

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