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個室で子どもと楽しむ、名フレンチ。大阪・豊中『ラ・メゾンブランシュ』/子どもとごはんvol.25

子連れでの食事は、行き先を選ぶもの。連載「子どもとランチ、ときどきディナー」では、お子さまウェルカムなお店をご紹介。
今回は、大阪・豊中の閑静な住宅街に佇む一軒家のレストラン『ラ・メゾンブランシュ』へ。1999年の創業当初から子連れを歓迎し続ける温かなホスピタリティとクラシックな技術をベースにしたフランス料理をいただける名店だ。

クラシックに回帰した確かなフランス料理

大阪・豊中の郊外に建ち、白い家を意味する『ラ・メゾンブランシュ』。
オーナーシェフの加藤賢一さんは、神戸のレストランを経て1985年に渡仏。フランス東部の『ジョルジュ・ブラン』や南西部の『ミッシェル・ゲラール』、パリの『ヴィヴァロワ』といった名店を経て、南仏の『ロアジス』に入店。帰国後は、「味のプラザ」と謳われたホテルプラザのレストラン『ル・ランデブー』で腕をふるった経歴の持ち主。
『ロアジス』で共に働き、度々来日しては共に全国でフェアを催したという、ステファン・ランボー氏に大きな影響を受け「料理をロジカルに考えることを教わりました」と話す。

大阪・豊中『ラ・メゾンブランシュ』オーナーシェフの加藤賢一さん
ほがらかな加藤シェフ。99年当時、郊外に出店するシェフが少なかったことから驚かれたという。「『ビストロ・ヴァンサンク』の原さんや『ジャン・ムーラン』の美木さんに背中を押してもらいました」と振り返る。
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ホテルが惜しまれて閉業した1999年には、郊外の雰囲気や物件に着目して豊中で独立。以来、長きにわたって愛される名店として知られる。
これまでの経験から得た技術をベースに国産素材を用い、旬の勢いを捉えたフランス料理は「最近では、よりクラシックに回帰しています」と加藤シェフ。そうした確かな料理を、なんと昼は3500円より、夜は9品の多皿にして12000円から楽しむことが可能。「また来たいと思っていただける価値を意識しています」と話す。

大阪・豊中『ラ・メゾンブランシュ』内観
こちらは大人のみ利用できるメインダイニング。昼は明るく、まさに“白い”世界だ。
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家族の記憶を紡いできたレストラン

99年の開業当初から子ども連れを受け入れてきた『ラ・メゾンブランシュ』。
「郊外のお店なのでお子様連れは多いですね。レストランを楽しむ練習の場にしていただきたいですし、かつてこの店でフランス料理やレストランのマナーを教わったと言ってもらえることが、この仕事の醍醐味です」
カップルだったゲストが結婚して子どもと一緒に来店し、その子が大きくなって3世代で来店するなど、27年間さまざまな家族を見てきたことが嬉しいと、加藤シェフはにこやかに話す。

2009年の移転後は子ども連れの場合、周囲を気にせずゆっくりと過ごせるよう完全個室へ案内。
プライベートな空間が守られ、さらに離乳食の持ち込みやベビーカーでの入店も可能など、パパやママの負担を軽くしてくれる。

大阪・豊中『ラ・メゾンブランシュ』個室
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大阪・豊中『ラ・メゾンブランシュ』個室
個室は繋げると最大16名まで利用できる。ベビーカーでの入店も可能。外を眺められるのも嬉しい。昼は1室2200円、夜は5%の個室料が必要。
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子ども向けメニューも妥協は一切ナシ

予約制の子ども向けメニューには、スパゲッティやハンバーグドリア、スープ、ステーキが。
なかでも子ども達から大人気の「ハンバーグドリア」は、ほのかにカレー風味が香るバターライスに肉々しいハンバーグを重ね、ベシャメルソースとチーズを重ねてオーブンで焼き、仕上げにソース・デミグラスをかけたという、何層にも手間がかけられた一品。

大阪・豊中『ラ・メゾンブランシュ』キッチンの風景
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大阪・豊中『ラ・メゾンブランシュ』ハンバーグドリア
「熱々だから気をつけてください」と、サービススタッフが、子どもの目の前で蓋を取ってくれるハンバーグドリア1980円。シンプルに見えるが、重層的な味わいがまさにフランス料理。この他、スパゲッティ1650円やステーキ2350円、スープ880円。
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子どもメニューのために作るというソース・デミグラスは「予約が入ってから慌てて作るものではなく、2〜3週間かけて育てるようなソースです」と加藤シェフ。時間をかけて作る本格派だ。
その膨大な手間から、今や伝統的な製法で一から作られなくなっているソース・デミグラスをわざわざ仕立てるのは「子どもたちに喜んで欲しいですし、その味を知って欲しいですよね」と、幼い頃からフランス料理の本当のおいしさに触れてほしいというシェフの願いが込められている。

他にも、「多皿の料理が食べきれない」という大人のゲストに向けて用意する、前菜1品と魚料理を抜いたコンパクトなコースを子ども向けに注文することも可能。

「とにかくお子様連れのお客様がいる場合は、お父様やお母様がゆっくりできるよう、大人の前菜よりも先にまずお子様料理を提供します。ここはスピード勝負」と加藤シェフ。
感動のホスピタリティから味わいのすべてにおいて、老舗の矜持が。ここでの体験は、子どもにとって“本物”の記憶として刻まれていくだろう。

大阪・豊中『ラ・メゾンブランシュ』看板
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大阪・豊中『ラ・メゾンブランシュ』外観、駐車場
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子連れに嬉しいポイントまとめ

・子ども向けメニューあり(事前予約制)
・子ども用のカトラリーあり
・離乳食の持ち込み可
・ベビーカー入店可
・子ども連れは完全個室へ案内(別途個室料必要。昼2200円、夜は5%)
・個室にはスタッフ呼び出し用のブザー完備
・雨に濡れない専用駐車場8台あり

writer

佐藤 良子

satoryoko

料理取材に徹して20年の食ライター。歴史が好きなため、料理史の観点から見るレストラン取材がライフワーク。日々賑やかな小学生2児の母。
Instagram@ryocosugar