辛くて酸っぱいコリアンダーチャトニ&ナスのパコラで酷暑を乗り切る!の巻

辛くて酸っぱいコリアンダーチャトニ&ナスのパコラで酷暑を乗り切る!の巻

カワムラケンジの「スパイスな一皿」

2023.08.16

文・撮影:カワムラケンジ

なんとこれで最終回(涙)皆さまありがとうございました!ラストはどど~んと2品をご紹介。チャトニとパコラです。チャトニとはインドの揚げ物や焼き物などに欠かせないディップソース。基本的に辛くて酸っぱいです。後者は豆の粉で揚げる天ぷら。インド定番の副菜・スナックで酷暑を乗り越えましょう!

目次

コリアンダーチャトニ インドの天ぷら、パコラ

コリアンダーチャトニ

チャトニとはインド料理のタンドリーチキンやサモサなどに必ずと言っていいほどついてくる、緑色や赤色のソースのようなもの。そう、あれです。ドーサやイディリなどの南インド料理でもよくついてきます。やはり多様の国インド。とてつもなくたくさんの種類のチャトニが存在します。

地域や好み、ベジかノンベジか、組み合わせる料理などによって種類は様々なのですが、多いのはココナッツ、トマト、ミント、コリアンダー、コリアンダーとミントをブレンド(グリーンチャトニ)、タマリンドなどをベースに使ったもの。
グリーンチャトニの場合は、コリアンダー多め、ミント多めなどと時々によってバランスが変わります。さらに、ココナッツやタマネギ、ニンニクを加えたり、ローストチャナダル(ローストしたチャナ豆)を加えたりするやり方もあります。辛味の基本は青唐辛子。なければ粉末のレッドペパーでも大丈夫。ほかにクミンとショウガは必須アイテムと言っていいと思われます。

そんな多様極まりない中で今回は、畑でたくさんのコリアンダーが収穫できたのでコリアンダーチャトニを作ることにしましょう。

コンパニオンプランツにコリアンダーを2023年はキュウリやトマトのコンパニオンプランツとしてコリアンダーを。徐々に農法進化中!

【材料】(4~5人分)

ヨーグルト…50g
ベスン粉…5g
※なければカシューナッツ3、4個。またはタマネギ大さじ1
ブラックソルト…ひとつまみ
※なければ好みの塩
砂糖…ひとつまみ
レモン果汁…大さじ1

スパイス
フレッシュコリアンダーリーフ…1束(約20g)
クミンパウダー…小さじ1/2
粗挽き黒胡椒…小さじ1/3
青唐辛子…少々
ショウガみじん切り…小さじ1

【作り方】

フレッシュコリアンダーリーフは洗って適当な大きさに切っておく。
すべての材料をミキサーにかけて出来上がり。ミキサーがまわりにくい時は水を小さじ1~2加えるとまわりやすい。残ったら密閉容器に入れる。そのままでも4、5日は大丈夫、冷凍も可能です。

チャトニのレシピインド料理にミキサーは必須です!ニンニクを使うと匂いが移るので要注意

インドの天ぷら、パコラ

パコダと発音することもあります。主に北インドでよく作られる天ぷらです。パコラと言えばチャトニ。特にグリーンチャトニかコリアンダーチャトニと組み合わせることが多いです。

日本の天ぷらとの大きな違いは衣。
小麦粉ではなく、チャナダルという豆の粉末を使います。この粉末はベスン粉と言って、様々な総菜、スナック、菓子などに使用します。家庭でもレストランでもベスン粉がないところはない、と言っても過言じゃないです。
パコラに使う場合、必ずと言っていいほどアジョワンシードも入れます。これはセリ科の植物で、整腸剤、防腐剤として考えられています。アーユルヴェディックでは呼吸器系、消化器系の治療に使うという話も。
インドではポピュラーなスパイスで、特にベジの人々から愛されている印象ですが、さほど使う量は多くないので、もし購入するなら50g程度もあれば十分です。

パコラは、家庭、庶民派レストランから高級ホテルまで、どこにでもあるインド人の誰もが大好きな料理なのです。

【材料】(2~3人前)

ナス…2本

生地の材料
ベスン粉…60~70g
ガラムマサラ…小さじ1/3
アジョワンシード…小さじ1/3
レッドペパー…少々
ブラックソルト…ひとつまみ
※なければ好みの塩
水…1/2~2/3カップ(生地がやや硬めになるように)

サラダ油…適量(たっぷりと)

【作り方】

ナスのヘタをとり輪切りにする。
ボウルに生地の材料すべてを入れてよく溶き合わせる。

生地を溶き合わせるお好み焼きの生地くらいのとろみ。やや硬いかな、というくらいがちょうどいい。

ナスを生地にくぐらせ、170℃の油で揚げる。
こんがりと揚がったら油を切り、皿に盛り付ける。

油で揚げる170℃くらいの温度でじっくり揚げるとふっくらかつクリスピーになります。

チャトニとパコラのレシピインドの国民食パコラ。食事にもスナックにもなります。豆の粉で揚げるのでタンパク質豊富!

今回、ナスを使ってパコラを作りましたが、どんな野菜もパコラにできます。一年を通して旬の野菜で楽しめるというわけですね。ナス以外にポピュラーなものとしては、ニンジン、ジャガイモ、カボチャ、トウガラシ(シシトウや万願寺トウガラシなどでOK)、インゲンマメ、タマネギ、ゴーヤ、カリフラワー、コーンなどがあります。

僕は大葉やニンジンの葉、ネギなどもよく使います。その場合は、じっくりと揚げることでクリスピーな衣になります。水分の多い野菜はベスン粉の衣が緩くなりがちなので少々コツがいります。ま、いろいろやりながら自分の好みを見つけてください。

ちなみに今回使ったナスはゼブラというイタリアのナス。僕の料理教室の生徒さんからいただきました。ちょっと変わった野菜ばかりをオーガニックで育てられていて、先日遊びに行ったらめちゃくちゃ上手に栽培されててびっくり。これから僕ももっといろんな野菜にチャレンジしていこうと思いました。

イタリアのナス、ゼブラ

それではみなさん、今日もおいしい楽しいひと時を!
ありがとうございました!!

Writer ライター

カワムラケンジ

カワムラケンジ

Kenji Kawamura

ライター&スパイス料理研究家。『スパイスジャーナル』編集長。幼少の頃は近所の家々を食べ歩き、16歳から数々の飲食の現場で働き、ライターに。昨年からは夢だった畑も。「うまいものがあって、おもしろい人がおったらどこへでも!」。www.kawamurakenji.net

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