関西の冬の風物詩をご自宅で。『中村軒』の白味噌ぞうにセット

関西の冬の風物詩をご自宅で。『中村軒』の白味噌ぞうにセット

名店レシピ

2023.01.26

文:「あまから手帖」編集部 / 撮影:岡森大輔

明治16年創業の老舗菓舗、京都・桂の『中村軒』が販売する白味噌ぞうにセットを、五代目・中村亮太さんの作り方の解説とともにご紹介します。これがあれば、関西の冬の風物詩をご自宅で楽しむことができます。

目次

関西の冬の風物詩、白味噌の雑煮 白味噌ぞうにセットの作り方 店舗情報

関西の冬の風物詩、白味噌の雑煮

正月やハレの日によく食べられる雑煮。一般的に餅の入った汁物を指しますが、地域によってその特徴は様々で、100を超える種類があるとか。
関西では、丸餅と白味噌を使った白味噌の雑煮が広く親しまれています。

明治16年創業の老舗菓舗、京都・桂の『中村軒』では、冬になるとメニューに白味噌ぞうにが登場。極めてシンプルながらファンが多い逸品です。
詳細な配合や製法を明かすことは決してありませんが、なんと材料一式を揃えた調理セットの販売を開始(公式サイトからも注文可能)。簡易なレトルト様式も検討はしたものの「やはり風味が落ちるし、だしを引く楽しさと美味しさも知っていただきたくて」と、考案者で五代目の中村亮太さん。

その作り方のコツを徹底解説していただきました!

白味噌ぞうにセットの作り方

【セット内容】

作り方の解説も付いた白味噌ぞうにセットは1箱(約2人前)780円(送料別)。要冷蔵で消費期限は4日。販売期間は11月~2月の冬季限定です。

※取材当時(2023.01.26)の価格です。
※販売期間は材料の調達状況により前後する場合がございます。

セット内容1

セット内容2バランスを考えて選び抜いたこだわりの素材は、店と同様のものを使用。滋賀県産の小佐治(こさじ)米を杵で搗いた自慢の白餅2個のほか、旨み深い北海道産利尻昆布、付き合いの長い宮川町『山利商店』の上品な白味噌に、仕上げの削り節は堺町御池『福島鰹』から。

【作り方】

だしを引く

さっと水洗いした利尻昆布を水500㎖と共に小鍋に入れ、とろ火にかけて沸騰する直前で引き上げる。

だしを引く「水道水でもだしを引きやすいよう、あえて昆布は多めの配合に変えています」。15分前後かけてゆっくり旨みを抽出するのが、澄んだ昆布だしを取るコツ。

餅を下茹でする

小鍋に湯を沸かし、白餅を柔らかくなるまで下茹でする。

餅を下茹でする味を含みやすくすることが目的。だしで直煮すると風味が飛び、味も煮詰まってしまう。箸や金串が芯までスッと入るくらいが目安。

だしに白味噌を溶く

白味噌を2/3量ほど溶き、1分ほど沸騰させる。

だしに白味噌を溶く「漉しながら溶くと口あたりが滑らかに。白味噌は沸かすことで、コクととろみが出ます」。白味噌を一度に溶かないのは、仕上げ直前に味見して、塩梅を微調整する必要があるため。

餅を白味噌だしで煮る

③に水気を切った②を加え、1~2分煮立たせる。ここで味見をして薄ければ、残りの白味噌を溶く。

餅を白味噌だしで煮る柔らかくなった餅は崩れやすいので、そっと入れる。「ご家庭ならゴムベラを使うと餅がくっつきにくいですよ」。

盛り付ける

餅をお椀の中央に盛り、静かに④の白味噌だしを注ぐ。仕上げの削り節はお好みで

盛り付ける「加えれば深みが増しますし、加えなければ精進料理としてお楽しみいただけます」。餅が1人1個で少ないようであれば別売の白小餅を買い足すのがお薦め。

■店名
『中村軒』
■詳細
【住所】京都市西京区桂浅原町61
【電話番号】075-381-2650
【営業時間】8:30~17:30(茶店は10:00~17:00)
【定休日】水曜、1/1・4 ~7(茶店は12/26~31も休み)
【お料理】白味噌ぞうにセット1箱(約2人前)780円(送料別)。イートインの場合、1040円。販売期間は11月~2月。
※取材当時(2023.01.26)の価格です。
※販売期間は材料の調達状況により前後する場合がございます。

【公式サイト】https://www.nakamuraken.co.jp/
【Instagram】https://www.instagram.com/mugitemochi/
【Twitter】https://twitter.com/mugitemochi/

掲載号
あまから手帖2022年1月/名店レシピ

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

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1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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