パリ帰りのシェフが営む、温故知新のビストロ。兵庫・夙川『Bistrot et Vin 20区』

手間暇かけて丁寧につくられたフランス料理と、世界各国のワインを楽しめる『Bistrot et Vin 20区』。パリさながらの空間と味を提供していますが、お子さん連れでも、一人でも、どんな方でも訪れやすいお店です。

誰でも気軽に入れるビストロを

阪急神戸線夙川駅から15分ほど。閑静な住宅街に佇むのが『Bistrot et Vin 20区』。店名の“20区”は、オーナーシェフの森康さんがパリで働いていたビストロがある地区からとったそう。

もともと森さんは、システムエンジニアとして会社勤務をしていました。しかし、学生時代にレストランで働いていたときの楽しさが忘れられず、フランス料理を学ぶため渡仏。「パリで修行していたビストロは、子連れの家族も訪れるような、地元で愛されるお店。そんなお店を自分でもつくりたくて」と、2019年に自身のお店をオープンしました。

店内は、カウンター6席、個室1室。オムツ交換台や子ども用のイスもあり。思い描いていたイメージ通り、ファミリーでも誰でも、気軽に立ち寄れるお店です。

『Bistrot et Vin 20区』店内
「理想の空間づくりに最適な場所を見つけて」夙川に自店をオープン。
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手間と愛情をかけたフレンチ

「パリでは、ガストロノミーレストランもたくさん食べ歩きました。ですが、やっぱり無性に食べたくなるのは、ザ・ビストロ料理だった」と、森さん。こちらでも、仔牛のブランケット(仔牛肉のクリーム煮込み)、ナヴァラン(仔羊肉と野菜の煮込み)など、フランスで昔から受け継がれてきた味を提供しています。

なかでも森さんが特に力を入れるのは、鴨のコンフィ。「ベースに派手なものは加えず、バターや脂も控えめ。ソースもイチから手作りです。“引き算”を意識して、軽快な味に仕上げています」。

調理には現代の知恵を活かし、鴨肉はハーブやオリーブ油と共にマリネし、真空密封。80℃で3時間じっくり加熱してから、オーダーごとに皮をパリッと焼いて仕上げます。いただけば、身から鴨の旨みがじゅわっと溢れます。

『Bistrot et Vin 20区』鴨のコンフィ
平日ランチ:コース代+鴨肉のコンフィ3350円、ディナーor土・日曜、祝日ランチ:コース代+鴨のコンフィ6650円。
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「おいしくてストーリーのあるものを」と、自ら選んだワインは、フランスやチリ、アルゼンチンなど世界各国のもの。スタンダードワイン(グラス950円〜)から、高級ワイン・グランヴァン(グラス1600円〜)、食後酒までと、その日の気分やシーンに合わせて選べるのも嬉しいポイント。

『Bistrot et Vin 20区』ワイン
料理とのペアリングを楽しむのもおすすめ。「菜の花と茸のグラタン」。冬は牡蛎と茸などに。
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「引き継がれてきた料理の良さは崩したくありません」という森さん。週末に家族で、仕事帰りに友人と。昔ながらの味を求めて、ついつい足を運んでしまいそうです。

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amakara.jp編集部

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関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。