おいしい驚きに溢れた和のおまかせコース 京都・二条『柾木』。

京都・二条の住宅街に佇む、和食店『柾木』。『和久傳』で10年腕を磨いた店主の柾木俊介さんが、工夫を凝らしたおまかせコースでおもてなしをされています。

旬の素材を用いたおまかせコース

下町の空気感が心地よい京都の三条会商店街から脇道に入り、さらに細い路地を進んだ静かな住宅街の中に、『柾木』はあります。『和久傳』の各店で10年研鑽を積んだ柾木俊介さんが腕を振う、スッと背筋が伸びるようなカウンターも印象的な和食店です。メニューは完全予約制のおまかせコース3種類のみ。全国各地から仕入れる旬の食材を用いて、とっておきの料理が8〜9品供されます。

『柾木』外観
細い路地を進んだところにお店はあります。
『柾木』内観
民家をリノベーションしたという店内は、カウンター席のみ。
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距離の近さが目にも楽しいカウンター席

カウンターテーブルのすぐ向こう側にいる柾木さんの熟練の技を眺めながら料理を待つ至福の時間…。お客さんと和やかに会話をしながら調理を進めていく柾木さんは「おいしく食べてもらいたいのはもちろんですが、気軽に食事を楽しんでもらいたいんです」と話します。ゲストとの会話やお酒の進み具合を見ながら、食材や調理法を変更したり工夫を凝らしたりというライブ感も大切にされているのだそう。

『柾木』柾木さん調理風景
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おいしい驚きがうれしい至福の時間

この日の先付けは、「琵琶鱒の枝豆ソース」。とろけるような脂が特徴の琵琶鱒に塩のみで味付けした枝豆のペーストと香り豊かなサラダセロリを合わせた、日本酒を呼ぶひと皿です。付け合わせの焼きしいたけの香ばしさ、黒胡椒が練り込まれた生麩など、食べ進めるごとにおいしい驚きがあります。

『柾木』琵琶鱒の枝豆ソース
黒胡椒が練り込まれた生麩は、見た目以上にビリッとスパイシー。枝豆のソースともよく合います。
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そして続く口福は「ホワイトアスパラのすり流し」。すりおろした食材をダシで伸ばすのが一般的な調理法ですが、柾木さんは「野菜をダシで炊いてミキサーで攪拌するんです。ポタージュの応用ですね」と笑顔。なめらかな舌触りと深いダシの旨みが口いっぱいに広がる一品です。「穴子のあぶり 自家製もろみ味噌添え」はふっくらとしたアナゴのあぶりにシソとミョウガをたっぷり、そして奈良漬がアクセントの自家製もろみ味噌を合わせて。

『柾木』ホワイトアスパラのすり流し
シルキーな舌触りのすり流しに合わせたのは、ほっくりとしたジャガイモ「インカのめざめ」とアスパラソバージュを茹でたもの、そしてアクセントにピンクペッパーをパラリ。
『柾木』穴子のあぶり
自家製もろみ味噌には酒粕や甜麺醤や豆鼓なども使われているそうで、とっても奥行きのある味わい。
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ひと口ごとに、そしてひと皿ごとに驚きと喜びに溢れる、柾木さんのおまかせコース。大切な人と、おいしい時間をどうぞ。

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amakara.jp編集部

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関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。