『粟餅所・澤屋』の粟餅(あわもち)[京都]340年以上ひとえに出来立てを貫く

1682年の創業から13代に渡り、作るは粟餅のみ。目の前で仕上げを施す丸め立ての粟餅は、柔らかくなめらかな餅生地の中でプチプチと弾ける粟の食感が、素朴ながらもクセになる。

ひたすら粟餅を作ること、340余年

『粟餅所(あわもちどころ)・澤屋』が京都・北野天満宮の門前茶屋として今の場所に店を構えたのは1682(天和2)年。そこからさらに遡った1638(寛永15)年に発行された江戸時代の俳諧(はいかい)論書『毛吹草(けふきぐさ)』にて、既に北野名物として粟餅の名が記されているという。

店名通り、品書きにあるのはこし餡ときな粉の粟餅のみ。江戸時代から13代に渡り、ただひたすらに粟餅を作り続けている。

『粟餅所・澤屋』外観
左手に見えるのは、持ち帰り専用の窓口。
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『粟餅所・澤屋』店内
磨き込まれたテーブルと小振りな椅子。茶屋らしい風情を感じる素朴で落ち着く店内。
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『粟餅所・澤屋』粟
「今や粟をご存じの方も少ないので」と、店内に飾られている粟の穂
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注文後に仕上げる出来立てを貫く

「時間が経つと硬くなりやすい粟餅は、できたてが一番おいしい状態。ですから、すべて注文を受けてから店頭で仕上げています」と、穏やかに語る13代目の森藤哲良(てつろう)さん 手早くくるりと餅を丸めては、きな粉をまぶしたり、こし餡で包んだりを、次期14代目・淳平さんと2人でひたすら繰り返す。きな粉担当とあん担当に手分けして阿吽の呼吸を見せるこの親子芸も、代々続くこの店の心温まる名物だ。

「できる限り搗(つ)きたてで提供したいので、こまめに粟を蒸しては搗き上げています」と見えない労力も厭わない哲良さん。「その日の気温や湿度によって水の量や蒸し時間をわずかに変えています。長年の勘がないとできない仕事ですね」。味を変えずに繋ぐことを大切にしたいと、先代から学んだ製法を守り、今は息子の淳平さんへと教え繋いでいる。

『粟餅所・澤屋』の店主親子
13代目の森藤哲良(てつろう)さんと息子の淳平さん。先代は99歳まで現役を貫いていたという。
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『粟餅所・澤屋』の粟餅仕上げ
蒸した粟をもち米と共に滑らかになるまで搗いた餅に、風味豊かなこし餡や香ばしいきな粉をまぶして仕上げる。
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『粟餅所・澤屋』の粟餅持ち帰り用
持ち帰り用の粟餅は5個入りから35個入りまで7サイズ。写真は10個入り1700円。こし餡ときな粉の「割合」は自由に選べる。
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『粟餅所・澤屋』の包み紙
北野天満宮にちなんで梅の花をあしらった包み紙も素敵。
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『粟餅所・澤屋』の粟餅店内用
店内でいただく場合は、粟餅3個(紅梅750円)から。せっかく訪れるなら、持ち帰るだけでなく本当の出来立てをぜひとも味わうべし。
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お汁粉にリメイクという裏技も

賞味期限は、もちろん当日中。家族営業の小規模な店のため、購入できるのはこちらだけ。せっかくだからと思わず買いすぎておいしさのピークを逃してしまった際に、とっておきの裏技がある。

「漉し餡の粟餅が硬くなってしまったら、適量の湯と砂糖を加えて軽く煮ると、粟餅入りの即席汁粉としてお楽しみいただけますよ」と哲良さん。

包み紙にもさりげなく記している店公認のリメイクは、これがまた心温まるおいしさ。思わず誰かに教えたくなる。

編集部選☆間違いない関西手土産

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writer

川島 美保

kawashima miho

両親曰く、「生まれた時から食いしん坊」。3歳の頃から庖丁を握り、8歳から菓子作りにハマる料理好き。趣味と実益を兼ねて食メインの編集兼ライターになり、気付けば20余年。酒は弱いが、味は好き。甘いものはいくらでも。食べたいものを好きなだけ食べられる健康的な身体造りを目指し、週2回の筋トレに励んでいる。

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