美食の街・台南の味を京都で。神宮丸太町『微風台南 TEARSⅡ』

京都・神宮丸太町から徒歩6分ほど、京都在住の台湾人も多く通う『微風台南 TEARSⅡ(ティアーズツー)』。築110年を超える古民家の店内には、中国語のかけ軸や約80年前の時計などが飾られ、ノスタルジックな雰囲気。現地さながらの台南料理をいただけるお店です。

台南の味をそのままに

『微風台南 TEARSⅡ』 がオープンしたのは、2015年。それまで店主の平岡尚樹さんは、2軒隣で香港料理を中心としたアジア料理店を約20年間営んでいました。そんな中、「在日台湾人からリクエストをもらったり、台南出身の友達が現地のグルメガイドブックを、食べた感想メモとともに送ってくれて。その熱意に押されて」と、美食の街といわれる台南料理を極めることに。

開店当初は、9割が台湾人でメニューも台湾語のみ。今でこそ日本人のお客さんも増えましたが、「お店の原点は、台湾人からのリクエスト。できるだけ現地の味をそのまま出したい」と言い、定期的に台湾を訪れて本場の味を学んだり、調味料や紅茶、タウナギなど、日本で手に入らない材料は台湾から直接仕入れています。また、新メニューを出す時には、試作品を台南の友人のお母さんやおばあちゃんに食べてもらい、徹底的に台湾の味を再現しています。

『微風台南 TEARSⅡ』スタッフ
料理は、店主の尚樹さん(右から2番目)が担当で、盛り付けとデザートは奥様の美保さん(右)が担当。「料理の味を確かめてもらう目的でも、台湾人の方に働いてもらっています」と、台湾人のスタッフ(左の2名)がオーダーや配膳担当です。
『微風台南 TEARSⅡ』内観
テーブル席もありますが、おすすめは座敷。アットホームな雰囲気で、のんびり過ごせます。
『微風台南 TEARSⅡ』内装
懐かしさを感じるインテリアは、80年以上前のものを中心にセレクト。
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200種以上の充実したメニュー

台湾では、ご飯を食べるお店と、お酒を飲むお店が分かれており、『微風台南 TEARSⅡ』は前者。ここでは、お酒を飲みながら食事を楽しむというより、食堂のようにご飯をメインでいただくのが台湾流です。

開店当初、100個ほどだったメニューは、「あの台南料理も出したい。それならこれも」とどんどん増やすうち、今では200以上。台湾式弁当「便當(ベントウ)」などのご飯もの、臭豆腐などのサイドメニュー、タピオカドリンクなどのドリンク、かき氷などのスイーツなど、充実したラインナップです。

『微風台南 TEARSⅡ』メニュー
メニューは、可愛らしいイラスト付き。イラストは、台湾人の元スタッフに描いてもらったそう。
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甘辛味がたまらない控肉飯

一押しは、「控肉飯(コンバーブン)」。日本人に知名度の高い「魯肉飯(ローバーブン/ルーローハン)」は豚肉が細かくカットされていますが、「控肉飯」は塊のまま豪快にご飯の上に乗せたもの。食欲をそそるテリのある豚肉は、醤油、2種類の砂糖、台湾の蒸留酒・米酒、八角をはじめとした10種ほどの香料で煮込んでいます。ひと口ほおばると、豚の旨みがじゅわっと広がり、甘辛い味がご飯と相性抜群。ほのかに香るスパイスが、異国の風を感じさせてくれます。

『微風台南 TEARSⅡ』控肉飯
控肉飯(コンバーブン)880円。
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夜限定メニューの牡蛎のオムレツ「蚵仔煎(オアジエン)」は、さつまいものでんぷんで牡蛎を炒め、卵を加えて仕上げます。モチモチ・トロトロとした生地に、甘酸っぱいソースと台湾醤油がよく混ざり合い、こちらもご飯によく合います。

『微風台南 TEARSⅡ』蚵仔煎
蚵仔煎(オアジエン)770円。
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台湾の定番スイーツ「豆花(ドゥホァ)」は、4種の中からトッピングを選べます。おすすめは全部のせ。ぷちぷちとしたタピオカ、甘いあずき、ほのかな苦味のある仙草ゼリー、もちもちとした芋団子…と、異なる食感や味のトッピングを、優しい甘さの豆乳が受け止めます。

『微風台南 TEARSⅡ』豆花
豆花(ドゥホァ)・プレーン単品500円。写真は、トッピング全部のせ+165円。
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異国の風を感じながら、台湾で食べた思い出の味を楽しみたい時はこちらへ。