膨大なお品書きに唸る、家族で通える居酒屋。京都・二条城『卯今』

誰と訪れても満場一致の旨さと、誇張ではなく毎週通っても飽きないほどの品数。誰もが「こんな店が家の近くにあれば!」と切望してしまう居酒屋『卯今(うこん)』。ぜひ京都の夜の手札に加えてみてください。

家族やグループにも嬉しい小上がりも

JR二条城前駅から歩いて約5分。暖簾や行燈、あちこちにあるウサギのモチーフが目印です。

京都・二条城『卯今』の外観
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「僕が卯年なんです。旬のもの=“今”のものを提供したいという思いから、卯今(うこん)という名前にしました。語呂も良くて、覚えやすいでしょう?」。そう話すのは、店主の小林健一さん。

オープンは2010年。「当時はうちの子どももまだ小さくて。大人も子どももみんなが楽しめるような、自分が行きたいと思えるようなお店にしたいと思ったんです」という通り、店内にはカウンター席のほか、ゆったりと座れるテーブル席や掘り炬燵式の座敷も。

京都・二条城『卯今』の店内
京都・二条城『卯今』の掘り炬燵式座敷
掘り炬燵式の座敷は最大10名まで。
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締めまで豊富!150種超のお品書き

「これでもかなり少なくなったんですよ。今、何種類くらいあるんやろ…?」と店主も数えきれないほど多彩なメニューもまた、誰もが楽しめるお店たる所以。

ざっくり数えてみると、日替わりが約60種、定番が約80種で計150種ほど。さらに、北海道の水蛸なら天ぷらか唐揚げ、宮城産の帆立貝柱はフライか天ぷら、もしくは塩焼きに…と、その日入荷した魚介類はおすすめの食べ方が選べるため、実際のメニューの数はさらに多いんです。

「お客さんのリクエストに応えていたらどんどん増えちゃって。そろそろこの辺りでやめておかないといけませんね(笑)」と小林さん。

とにかくお客さまに喜んでもらいたいという心意気が現れた分厚いお品書き。定番のお造りや天ぷらのほか、取材時にはすっぽん小鍋や海鮮水餃子、持ち帰りも可能な鯖寿司など魅惑のメニューがずらり。お店を訪れたら、しばらくお品書きと睨めっこすることになりそうです。

京都・二条城『卯今』店主
長年の付き合いのある市場から仕入れる新鮮な魚介類のほか、滋賀県の淡海地鶏を中心にした2種の地鶏(食べ比べも可)を主軸に、豊富な旬の小皿料理が。多彩な料理と丁寧な仕事に、同業者の常連が多いというのも納得です。
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また、「締めの料理が好きなんです」と、うどんや蕎麦といった麺類だけで約13種を揃えているのも驚き。人気は地鶏なんばそばと地鶏ガラ醤油ラーメンです。丼や雑炊などのご飯ものも充実しているので、飲兵衛のみなさんはもちろん、小さなお子さん連れでも安心ですね。

まずは定番のジューシーなよだれ鶏

メニューに悩んだらまずはオーダーしたいのが、定番メニューの「地鶏で和風よだれ鶏」。

京都・二条城『卯今』の「地鶏で和風よだれ鶏」
「地鶏で和風よだれ鶏」1480円。
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低温調理でしっとりと仕上げた鶏肉に、ネギ、生姜、ニンニクといった薬味をたっぷりと。醤油ベースのあっさりとした味わいに、花椒がふわりと香ります。

京都・二条城『卯今』の日本酒
「卯今の気まぐれ日本酒」850円〜。
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ビールを合わせても良いですが、気になったのは日本酒。なんでも、気まぐれで登場するレアな一本があるそうで、この日は京都ではあまり手に入らない青森の地酒、八戸酒類の「如空 想」が。小林さんが現地まで視察に足を運んだという、バランスのとれた香り高い日本酒です。

旬の食材で季節を味わって

取材時は暑い夏の日。日替わりメニューにはこんな涼しげな一品がありました。

京都・二条城『卯今』の「賀茂茄子車海老ジュレがけ」
「賀茂茄子車海老ジュレがけ」1380円。
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焼き茄子の上に、冷たい和風出汁ベースのジュレと車海老がたっぷり。趣向を凝らした旬の味覚に、季節ごと、いや、もっと頻繁に足を運びたくなりそうです。

毎回オーダーしたい天ぷら

ほとんどの人が注文する天ぷらは、盛り合わせが大正解。

京都・二条城『卯今』の「天麩羅盛り合わせ」
「天麩羅盛り合わせ」2000円。
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この日は小鮎やとうもろこし、鱧のシソ巻きなど7種を一皿に。季節によって具材が変わるのも楽しみですね。

旬を味わう懐深い居酒屋。家族、同僚、気の置けない友人…。誰を誘おう?とワクワクする店です。