ありがたい15時オープンの和食店。京都・御所南『而今 平たて』

まだ日が高い15時から、浅めに〆た鯖のきずしやホタルイカをつまみながら一杯。京都御苑からほど近い『而今 平たて』は、夜を待たずして粋な肴と酒に酔える貴重な和食店です。

珍しい15時オープン

奥行きのあるミズナラのカウンターに、ローズウッドを使った座面の広い椅子。「落ち着いて過ごしていただけるよう、空間を贅沢に使っています」と店主の平舘亮祐(ひらたてりょうすけ)さん。

福島県出身の平舘さんは、『西陣 魚新』のほか、『余志屋』『御料理たまりや』など京都市内の和食店に務めた後、2022年に独立。お客様の「もっと早い時間から飲めたら…」という声に応えて、自身の店は15時オープンにすることを決めました。

基本的に15時オープンは土日のみですが、2名以上の事前予約で、平日も15時から開けてもらうことも可能です。

京都『而今 平たて』外観
京都『而今平たて』店内&店主
180㎝以上と長身の平舘さん。奥行きのあるカウンターは、お客様に圧迫感を与えないための気遣い。客席側の床も、厨房より高く設計したそうです。
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ときに斬新な、程よい創作性

修業先は和食のみですが、元々専門学校ではイタリア料理を学んでいたという平舘さん。

ホタルイカを使った一品なら、半日ゆっくり炊いて甘みを引き出した新玉ネギのムースを主役に。白和えに使うのはイチゴやイチジク、リンゴなど季節の果物。定番に時折創作性を交えて、新味を生んでいます。

京都『而今平たて』のホタルイカ
新玉ネギムース 蛍烏賊(ホタルイカ)添え2200円。脇に添えた黄身酢はお好みで。
京都『而今平たて』の白和え
季節のフルーツ白和え1300円。この日はイチゴとヤングコーン。まるでデザートの様なビジュアルですが、口にすれば佳肴。粗く砕いたそばの実のカリカリ感と香りが、クリーミーな白和えのアクセントになっています。
京都『而今 平たて』の牛ほほ肉の白味噌煮
実山椒をたっぷり利かせた牛ほほ肉の白味噌煮は2500円。
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人気の締めは土鍋炊きご飯

単品が豊富に揃う中で、特に注文が多いのが土鍋ごはんです。注文を受けてから一客ずつ炊き上げる炊き込みご飯は、常時5~6種類。春なら筍やワラビ、ホタルイカなど、その時々の旬の食材が主役です。

一合からの注文になりますが、食べ切れない分はおにぎりにしてもらえるそう。一人でも気にせず頼めます。

京都『而今平たて』の土鍋ごはん
鮎と新生姜ごはんは1合3500円、2合4500円。たくさん入った焼き鮎にテンションが上がります。
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落ち着く半個室は4名まで

店内に入ってすぐ右側に、小さな半個室も備えています。締め切る扉はありませんが、しっかり壁に囲まれているので充分なプライベート感。周りを気にせず寛げます。

17時以降なら前日までの予約でコースをいただくことも可能。一人で気軽に一杯飲みに行くも、腰を据えてじっくりコースを味わうもよし。時間も過ごし方も、色んなニーズに応えてくれます。

京都『而今 平たて』の半個室
お洒落なペンダントライトが灯る半個室は、広々と座れるベンチタイプの掘りごたつ席です。
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