兵庫・西明石『鮨 和(なごみ)』の、新鮮味に満ちたおまかせコース

明石の老舗寿司屋の流れを汲む『鮨 和』は開業してから約20年。明石ならではのネタを揃えつつも、店主のセンスが冴える取合せに魅了されたファンが遠方からも訪れています。

名店『菊水』の薫陶を受けて独立

JR西明石駅東口を北に出て約2分。国道2号線との交差点近くの利便性の良い場所にある『鮨 和』は、カウンター8席のこぢんまりとした店です。陽気な店主の中原信一さんは、明石の名店『明石菊水』で10年の修業を経て、2006年に地元で独立。老舗の薫陶は受けながらも、「お客のニーズに応えたい」と、随所に独自の工夫を凝らしています。

『鮨 和』の外観
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『鮨 和』のカウンターとご主人
元々は魚嫌いだったという店主の中原信一さん。様々なジャンルの店を経験し、水が合ったのが寿司屋だったそう。「何よりシンプルで、技術の差がはっきり分かるのがいいですね」。
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明石前と新鮮味の取合せ

カウンターに座るとまず目に入るのはすべて漢字で書かれたネタの品書きです。「カウンターでの会話のきっかけになれば」と、中原さんの工夫と気配りは注文の前から。メニューは8800円と11000円のコースのみ。取合せの妙が光るにぎりが次々と繰り出されます。

造りをいくつか切った後、にぎりはまずはトロから。最後に重くならないようにあえて冒頭に提供します。続いてニンニクが香る特製薬味を添えた名物のシマアジ、マグロの酒盗をのせた剣先イカなど、中原さんのセンスが冴えた取合せに魅了されます。締めはタクアンにゴマと大葉のシャリを包んだ、通称“餃子”でさっぱりと。
ネタは神戸の中央市場から。目の前の明石海峡で獲れた魚・前もんを軸に据えつつ、瀬戸内の旬魚も幅広く仕入れています。

『鮨 和』のトロ
にぎりはすべて、おまかせコース8800円(料理7品、にぎり8カン)より。ワサビをどっさりのせて食べるのがおすすめのトロ。頬張れば脂のまろやかさが実感できる。
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『鮨 和』のシマアジ
名物のシマアジは、ニンニクと脂の風味が見事に調和。
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『鮨 和』のイカ
前もんの剣先イカ。酒盗の塩味と好相性。
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『鮨 和』の穴子
半身一本を使う贅沢な前もんの煮穴子は『菊水』譲りの鉢巻き形。明石ならではのネタも。
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『鮨 和』の漬物のにぎり
その見た目から、通称“餃子”と呼ばれる締めの漬物のにぎりがコースの締めを飾る。
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地元の人が足繁く通うだけでなく遠方からわざわざ訪れる人も多いのも納得。友人や知人を連れていきたくなる、知っていたら自慢したくなる1軒です。

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amakara.jp編集部

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関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。