
関西フレンチを代表する名店、大阪・福島『ミチノ・ル・トゥールビヨン』
金髪ポニーテールの大御所シェフ
大学神学部に在籍中にフランス料理を食べて、雷に打たれたようにおいしさに感動して方向転換。料理の世界に歩み出した道野 正シェフ。本場フランスの星付きレストラン『ラ・コートドール』などでの修業も経て、今や伝説のレストラン『シェ・ワダ』のスーシェフを務めた後、豊中にて独立したのは1990年のこと。当時、個性的、前衛、破天荒などの冠付きで、雑誌やテレビに引っ張りだこでした。以来、36年、道野シェフの料理は益々磨きがかっています。
付け合わせまで隙がない料理
では、ある夏のお料理をご紹介。ランチコースのオードブル、豚タンのタルタル。豚のタンは、ちょっとクセのある食材のはずですが、何ともエレガントです。
これは「豚タンをソミュール液に漬けてあるから」とのこと。塩水にハーブ・スパイスなどを加えたソミュール液に肉を漬け込むフランス料理の技法です。食材の臭みを取り除き、柔らかくする効果もあるとか。だから豚タン独特のシャキッとした食感は残りつつも柔らかく、味わいに深みを感じます。ナスやズッキーニなど夏野菜たちと共にキューブ状になって、透明な生春巻きの皮でくるりと巻かれて見た目も涼し気。プラムとショウガのジュレで爽やかな後口です。
魚料理は、ハモ。「骨切りして、フライパンの上に網をのせて170℃で3分。中心は生っぽさを残して、ソースはブールブランにゴルゴンゾーラチーズを加えてます。このままではちょっと重いから、レモンジュースで爽やかな酸味をプラスしてます」とシェフの説明は立て板に水の如し。
道野シェフのお料理の凄さは、付け合わせの一つひとつまで隙がない点。ハモに添えられた玉ネギが絶品。「皮付きのまま塩と卵白で固めて塩釜焼きにしてます。茹でないので、シャキシャキした繊維が生きていて、甘さだけがギュウッと中に閉じ込められているんですよ」。本当にひと口食べたら、「甘~い!」と思わず口をついて感嘆してしまうほどです。
アバンギャルドなデセール
「全部おいしかったけど、デザートが特に忘れられません」と多くのゲストが言うこの店のデセール。道野シェフは悔しがりながらも嬉しそうです。というのも、デセール担当は愛妻、道野祐子さんだから。
実は、このマダム・ミチノも夫・ミチノシェフに負けず劣らずの鬼才の持ち主。楚々とした美女なのに、行動力がハンパなく、数年前にも小さなカブで日本一周一人旅を敢行して新聞雑誌で話題をさらった豪快なお方です。つい先日もインドやエジプトに旅し、その経験をすぐさまデセールに表現して驚かせます。
今回は、プエルトリコの国民的カクテル・ピニャコラーダを分解再構築。パインをミントの葉で和えて、バナナのソースとホワイトラムのエスプーマ、ココナッツアイスを順に味わえば、口の中でピニャコラーダが完成するという趣向。
透明な不思議な箱は氷ではなく、「クリスタルケースです。デンプンと葛粉を溶いてオーブンで焼くと、膨らんでくるのよ。面白いでしょ!」と少女のように微笑むマダム。ファンが多いのも頷けます。
プレゼント付き周年コースは11月
毎年、ミチノ・ル・トゥールビヨンの周年コースを楽しみにしているゲストは数多くいます。今年は猛暑の折柄、通年9月に開催している周年コースを11月に予定。いつにも増して力の入ったコース料理に加え、お店で使っているスタイリッシュなお箸のプレゼント付き。
このお箸、福井県の若狭塗箸『フナイワークス』にオーダーメイドしたもの。使うと必ずや持って帰りたくなる使いやすさです。
36周年コース、ランチもディナーもスタンバイ。道野シェフの料理の凄み、ぜひ、この機会に。
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- 店名
- ミチノ・ル・トゥールビヨン
- 住所
- 大阪府大阪市福島区福島6-9-11 神林堂ビル1F
- 電話番号
- 06-6451-6566
- 営業時間
- 11:30~13:00LO、17:30~20:00LO
- 定休日
- 月曜(祝日の場合は営業、翌日休)、不定休あり
- 交通
- JR福島駅から徒歩5分
- 席数
- テーブル20席
- メニュー
- ランチコース11000円、ディナーコース22000円、16500円(オードブル3品、魚または肉料理、デセールの軽めのコース)。グラスワイン1000円~、ワインペアリング8000円。※サービス料込。
- 公式サイト
- https://michino.com/
- 備考
- 前日までに要予約。
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