日本酒を合わせて楽しむシン・洋食の夜。京都・烏丸御池『洋食堂のろ』

人気店『リストランテ野呂』の姉妹店として2023年にオープン。細長い「ウナギの寝床」を奥に進むと、活気あふれるオープンキッチンのカウンターが。いい匂いに包まれながら「何を食べよう?」と迷う、幸せな時間がここにある。

ホテル出身シェフが洋食を再定義

シェフの河野竜二さんが15年にわたりイタリア料理の腕を磨いたのは、『フォーシーズンズホテル椿山荘 東京(現・ホテル椿山荘東京)』、『シャングリ・ラ東京』、『アマン京都』といった一流ホテル。『リストランテ野呂』の野呂和美シェフと出会い、かねてから構想していた系列店の料理長にスカウトされたという。
「いずれは街場の店で勝負したいとは思っていましたが、最初はお客さんとの距離が近くて緊張しました(笑)。今では、このスタイルが自分に向いているなぁと実感しています」
コンセプトは「和食以外は洋食」。長く研鑽を積んできたイタリア料理を軸にしつつ、枠にとらわれないメニューを展開する。

京都・烏丸御池『洋食堂のろ』内観
店奥のカウンター席に加え、手前部分にテーブル席も。
10

素材と技術が結晶した名作たち

ジャンルレスな味わいをワガママに楽しむなら、アラカルト中心のディナータイムに訪問を。
鮮魚のカルパッチョやパテ、シーザーサラダなど、多彩に揃う前菜は盛り合わせも歓迎だ。「名物になるメイン料理を」と、開業前日まで試作を繰り返して完成したという煮込みハンバーグも必食。煮込みとはいえ、オーダー後にフライパンで焼きつけてから、デミグラスソースで軽く煮込む手間を惜しまない。仕上げは『アマン京都』時代に出会った鷹峯「松野醤油」の赤味噌を加えた濃密なデミグラスソース。香ばしさとふんわりとした食感を兼ね備え、ポーチドエッグを崩して絡めればまろやかに味変する。

京都・烏丸御池『洋食堂のろ』前菜5種盛り合わせ
前菜5種盛り合わせ3280円(2人前)。この日はかぼちゃのサラダ、自家製ロースハム入りシーザーサラダ、パテドカンパーニュ、スモークサーモン、ハマチのカルパッチョ。
10
京都・烏丸御池『洋食堂のろ』洋食堂のろの煮込みハンバーグ 赤味噌デミグラス ポーチドエッグ
洋食堂のろの煮込みハンバーグ 赤味噌デミグラス ポーチドエッグ3000円。宮崎「尾崎牛」と鹿児島「幸福豚」を7:3で合わせた肉だねは180gと圧巻のボリューム。
10
京都・烏丸御池『洋食堂のろ』12種のお野菜で作ったミネストローネ
12種のお野菜で作ったミネストローネ980円。動物性のだしが一切入らないのに、驚くほど豊かな旨み。玉ねぎやにんじんなどの香味野菜をはじめ、今の季節はモロッコいんげんやそら豆といった豆類もたっぷりと。野菜は伏見『ヤマダファーム』などから。
10

パワフルなメイン料理と並んで河野シェフが注力するのが、東京のホテルでイタリア人シェフに教わったミネストローネ。乳化させたハーブオイルを加えたり、一部をピュレにして合わせたりと、一見素朴なスープに細やかな仕事がちりばめられている。

ペアリングは日本酒で

ご機嫌なメニューに寄り添わせたいのはワイン…もいいが、こちらでぜひトライしてほしいのが日本酒。日本酒ラヴァーの河野シェフがセレクトした全国の地酒が、常時20種ほど用意されている。ほどよい甘酸っぱさやフルーティーさのある無濾過生原酒が中心で、料理の脂肪分をキリッと引き締めつつ心地いい余韻を残す。ペアリングの新しい扉を開けてくれる大人の食堂。深い懐に、とことん甘えたい。

京都・烏丸御池『洋食堂のろ』河野シェフ
シェリーを思わせる味わいの、金紋秋田酒造「X3 Blanc 純米原酒」など、ひとクセありの日本酒を愛する河野シェフ。
10
京都・烏丸御池『洋食堂のろ』看板
10