移転オープンしたフレンチ、京都『ブラン・ピエール』で自分好みに選べるディナーセットを
わずか半年で再開を決断
『ホテルニューオータニ大阪』や『ウエスティンホテル大阪』で腕をふるい、調理師学校でフランス料理指導を経験も持つ白石健一さんが御所南に自店を構えたのは2010年の初夏。ホテル仕込みの確かな腕と多彩なレパートリーが話題を呼び、瞬く間に界隈の名物店になったが、2025年に物件の契約満了に伴い閉店することに。悲しむ声が多く聞かれた。
「15年間、夢中で走り続けて来たので、しばらくのんびりしようと思い、半年間ほど出張料理やスポーツ選手の専属料理人など、新しい仕事にチャレンジしていました。そんな時にご縁を得てこの場所に出合い、再開を決めました」
前店から白石さんの右腕として活躍してきた料理人の奥様と2人で調理を行う。名物料理のブイヤベースを始めとするアラカルトとコースが充実しているなどのスタイルは変わらず。カウンター席からは、以前同様、フルオープンキッチンのライブ感も楽しめる。
前菜とメインが選べるプリフィクスコース
ディナータイムは、全6品のBコース(6930円)、ブイヤベースセット(7150円)などが用意されているが、自分好みの料理でコースを組み立てたい時に向くのが、5500円~のディナーセットだ。
「人手が潤沢なホテルなどのレストランではめずらしくありませんが、妻と2人で回している個人店でコースとアラカルトを用意していると驚かれることもあります。けれども僕は自分が行きたくなるような店でありたい。年を重ねると量は食べられないと仰られる方も少なくないのですが、好きな料理を好きなように楽しんでほしい一心で、毎日妻と仕込みに励んでいます」
ディナーセットで選べる前菜は常に5~6種類。そのうち半分は追加料金なしでオーダーできる。メインに至っては、人気が高いフォアグラ入りのハンバーグ、京都府産豚バラ肉の煮込みなどのほか、十数種の料理がスタンバイ。何にするか迷った末、前菜は「車エビとタコのタブーレ プロヴァンス風(+440円)」を。メインは「北海道エゾ鹿のロースト カシスソース(+1180円)」をセレクトした。
ほどなく、フォアグラがぎっしり詰まったサクサクの最中と、甘いニンジンのムースを盛り合わせたアミューズが運ばれてきた。
旬の食材をふんだんに使用
2皿目は、食材次第で内容が変わるスープ。この日は、甘みが強い品種であるゴールドラッシュを使ったトウモロコシの冷製スープ。プチッと噛む度にフレッシュな甘さが楽しめるトウモロコシ粒とポップコーンがトッピングされていて、リズミカルな食感でも魅了する。
前菜のタブーレは、地中海やアラブ地域で主に食べられている郷土料理。野菜と香草、穀物などを合わせるサラダだが、白石さんはラタトュイユと合わせたクスクスにクミンやガラムマサラを加えてスパイシーな味わいの温菜に仕立てる。エスニック風のテイストと冷えたスパークリングワインのペアリングは喉に爽快感をもたらしてくれた。
肉汁たっぷりのエゾ鹿肉を赤ワインと共に
メインの前に赤のグラスワインを注文。上品な香りと繊細な果実味がある軽やかなイタリア産ピノ・ノワールを味わいながら、目の前のエゾ鹿肉の仕上げを見守る。
「ジビエ類は、ハンターさんと料理人をつなぐ、北海道のプラットホームを通して仕入れています。必要な種類や部位をリクエストするとハンターさんに伝えてもらえる仕組みで、コンスタントに入手することができています」
じっくりローストしたエゾ鹿肉の赤身はしっとり。力を入れなくてもナイフがスッと通る柔らかさでクセもない。きめ細かい肉質と甘酸っぱいカシスのソースとの相性も抜群だ。
食後のドリンクとデザートはコースに含まれないので、料理を食べ終わってからどうするか思案しようと思っていたが、すでに満腹。ワインを追加してチーズの盛り合わせを頼むことも考えたが、それは次の楽しみにとっておこう。ちなみにグラスのスパークリングワインは990円、グラスの赤ワインは990円なので、前菜の追加分440円とメインの追加分1200円を合わせてお会計は9310円。次回は、仕事を頑張ったご褒美として黒毛和牛サーロインのステーキを奮発しようかとなどと考えながら帰途に就いた。
data
- 店名
- ブラン・ピエール
- 住所
- 京都府京都市上京区観三橘町584
- 電話番号
- 075-334-6662
- 営業時間
- 11:30〜13:30LO、17:30〜20:00LO ※要予約
- 定休日
- 日曜と不定休あり。ディナーは木、金、土、祝日のみ営業
- 交通
- 地下鉄今出川駅から徒歩2分
- 席数
- カウンター6席、テーブル20席
- メニュー
- ディナーセット5500円~。グラスワイン990円~。
- 外国語メニュー
- 英語

writer

小林 明子
kobayashiakiko
京都在住フリーライター。缶入りクッキー、ワッフル、薯蕷饅頭、そば餅…、これらの名店に徒歩で行ける京都市の烏丸御池近くに生まれる。自動的に甘いもの好きが出来上がりました。
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