上質なフランス料理をカジュアルに。大阪・東三国『オルタンシア ビストロ』でビストロランチ
“上質をカジュアルに”がコンセプト
ビジネス街の活気とマンション群が入り混じる東三国エリア。駅から徒歩すぐの場所に突如現れるのが、食通の間でも話題の『オルタンシアビストロ』だ。
オーナーシェフの川端和波さんは、東京・芝公園の『クレッセント』(現在は閉業)など名店を経て渡仏し、数々の星付きレストランで研鑽を積んだ実力派。帰国後は三國清三シェフとの出会いからミクニグループで店の立ち上げなどを経験し、その後は『俺のフレンチ』グループで店舗運営などを学んできた。
「足を運びやすい低価格なフランス料理店を開きたかったので、様々な店や企業で学びました」とにこやかに話す。
ガストロノミックな高級レストランから気軽な立ち食いフレンチまで経験を積んできた川端シェフによる店のコンセプトは“上質をカジュアルに”だ。
お値打ち感に驚く「本日のランチコース」
数あるランチコースの中でも前菜、スープ、選べるメイン、デザートが登場する3000円の「本日のランチコース」はそのお値打ち感に誰もが驚く内容。
例えば最初に登場する前菜なら、たっぷりのサラダの下にはスモークサーモンや鶏のガランティーヌ、和牛モモ肉のローストビーフ、根セロリのレムラードやキャロット・ラペといったビストロらしい惣菜が。さらに紅芯大根のピクルスやなんとウルイを粒マスタードやヴィネグレットで和えたものなど、日本の旬を感じる一品も。
掘っても掘っても次々とお宝が出てくる宝箱のように楽しく、シャンパーニュや白ワインが思わず進む。
圧倒的満足感を支える、人との繋がり
一皿ごとに感じる圧倒的満足感の理由は単にポーションが多いからだけではない。メインの食材を引き立てる多彩な付け合わせや、細部まで手の込んだ味付けやソースの一つひとつに、クラシックな技術と膨大な仕事がなされているのがよく分かる。
これほどの贅沢な仕立てでありながら、良心的な価格を維持できるのは川端シェフと食材の仕入れ先との強い信頼関係にあるという。
「長年、付き合いのある八百屋さんなどの業者から売れ残って困っている野菜や規格外のものを買い取ってほしいと相談されることがあります。そうした時はまず断らない。仕入れた食材を美味しい料理として余すことなく使い切るので、おのずとお皿の上の料理が多くなってしまうんです(笑)」。
食品ロスを減らしつつ原価を抑える工夫が、感嘆するほど美しく、圧倒的満足感のある料理に現れているのだ。
また、メニュー表にあえて細かい調理法を書かないのも川端シェフの信条。ゲストの好みやリクエストからその場で即興のアレンジを加えたり、飲んでいるワインのタイプに合わせたり。さらにはソースの味わいまで柔軟に変化させることもある。
「店名のオルタンシアとは、フランス語で紫陽花です。土の性質によって色を変える紫陽花のように、枠にとらわれない柔軟な料理を届けたいという思いを込めています」。
家族の思い出を彩るキッズコースも
フランス料理店でありながら、ランチタイムは子ども連れウェルカム。
シェフ自身も子育て経験があることから「家族みんなで美味しい時間を過ごしてほしい」と、昼は年齢制限を設けず迎えてくれる。
子ども向けの「お子様ランチ」は、大人のコースに負けない本格派。ワンプレートで一度に提供するのではなく、スープとパンを先に出し、その後に出来立てのメインを運ぶというコース仕立て。
これは、大人たちの長いコースの間、子どもたちが退屈せずに食事を楽しめるようにというシェフの配慮から生まれたスタイルだ。
大人のランチでも人気のハンバーグは手捏ねした中挽きの牛豚ミンチが口の中でほどけて旨みが広がり、「子どもの頃からフランス料理に慣れて欲しいから」と本格的な赤ワインソースを流す。
ナイフとフォークを動かし、大人の階段を少しのぼるような特別な食体験が、子どもたちの記憶にも優しく刻まれていく。
初夏を迎えると店先に植えられた紫陽花が美しく咲き、空間はいっそう華やかな表情に。柔らかな光がたっぷりと差し込む店内はもちろん、風が吹き抜けるテラス席で過ごすのも格別。
敷居の高さを感じさせない心地よい空間で、確かな美食に浸る。そんな欲張りな願いを叶えてくれるビストロだ。
data
- 店名
- オルタンシア ビストロ
- 住所
- 大阪府大阪市淀川区東三国4-15-12 シオザキビル1階
- 電話番号
- 06-6398-7502
- 営業時間
- 11:30~14:30(LO13:30) 17:00~23:00(最終入店21:00、LO22:00)
- 定休日
- 月曜・水曜のランチ
- 交通
- 地下鉄東三国駅より徒歩1分
- 席数
- テーブル16席、カウンター4席、テラス10席
- メニュー
- 昼/ランチコース3000円~、お子様ランチ1500円。夜/ディナーコース5500円~。
writer

佐藤 良子
satoryoko
料理取材に徹して20年の食ライター。歴史が好きなため、料理史の観点から見るレストラン取材がライフワーク。日々賑やかな小学生2児の母。
Instagram@ryocosugar
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