復刻!昭和のスパイシーオムライス。大阪・本町『家庭料理 喜りん』

上品な女将が手作りするおばんざいが自慢の『家庭料理 喜りん』。この3月、突如として始まったのは、かつて昭和の本町界隈でビジネスマンたちを虜にし、連日行列を呼んだオムライスランチだ。

昭和のオフィスワーカーに愛された味を復刻!

ランチタイムを切り盛りするのは女将の本田喜代子さんかと思いきや、なんと会社員時代の元上司でグルメ仲間という阿 充知彦(おか みちひこ)さん。

なぜ突然ランチを?と尋ねると「40年前、叔母がオムライス専門店を営んでいたのですが、ずっとそれを復刻したくて」と阿さん。言葉通り、運ばれてきたオムライスは銀色のオーバル皿にのせられ、薄焼き卵に包まれている、なんとも昔懐かしさ漂うビジュアルだ。

『家庭料理 喜りん』阿さん
ランチタイムで腕を振るう阿さん。料理が趣味で、「家では妻よりも料理を作ってきました」と笑う。『喜りん』の開業から約1年間はスタッフとして手伝いをしていたとか。
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遡ること昭和31年。好景気の熱気溢れる最中、インディアンオムライスのお店『パッピィ』は本町・瓦町3丁目に暖簾をあげた。当時からオフィス街として栄えたこの地で近隣ワーカーは、そのスパイシーでパンチの利いた味を求めて、連日列を作ったという。

しかし、約30年間の営業の末、惜しまれつつも閉店。阿さんは定年退職後、長年の想いを叶えるため物件を探し回った。「当時と同じ“本町”にこだわっていたのでなかなか良い物件が見つからなかったんです。女将に相談すると、『ランチはやっていないし、うちでやる?』と言ってもらえて」。昨年の秋、止まっていた歯車が再び動き出した。

『家庭料理 喜りん』当時の掲載誌面
「当時の写真はほぼ残っていなくて、唯一この記事だけが手元にありました」と阿さん。店名と住所が記されたマッチ箱にも『パッピィ』の足跡が。
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オリジナリティ溢れるスパイシーオムライス

『パッピィ』のオムライスは、一般的なケチャップ味とは異なるスパイシーな味わいが特徴。

米は、パラッと仕上げるために水分量の少ないカリフォルニア米を使い、22種類ものスパイスが複雑に絡み合ったカレーペーストを混ぜ合わせながら炒める。できあがったドライカレーを薄焼き卵で包み、和辛子と煮切りみりんを利かせた自家製オーロラソースを回しかけて完成。コールスローも付いてお値段はなんと750円という驚きの高コスパだ。

ひと口食べるとほのかにスパイシーさを感じつつも、オーロラソースのクリーミーなコクに包まれ、最後には和辛子が鼻にツンと抜ける。甘いと辛いが交互に押し寄せる、なんとも癖になる味わいだ。

『家庭料理 喜りん』ランチのインディアンオムライス
インディアンオムライス750円。カレーペーストには、たっぷりの玉ネギとソーセージが入っている。それをオリジナルブレンドのスパイスと合わせ長時間煮込む。箸休めの自家製コールスローは、ヨーグルトやマヨネーズ、ハチミツ、酢、煮切りみりんで味付けた爽やかな味わい。
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昭和の味を令和へアップデート

味の再現の手がかりは材料と分量が記された古いメモのみだったというが、「理想の辛さを引き出すのに一番苦労した」と阿さんは振り返る。

「当時は流通しているスパイスが今よりも少なく、辛みの出し方はどこも同じようなものだったんです。今は時代も変わったので、ベースはそのままに、よりエッジの効いた辛みと風味を感じてもらえるようスパイスの種類や配合は調整を重ねました」と明かしてくれた。

メモに残されていた18種類のスパイスをベースに、親族で試食会を何度も重ね、新たに4種類を追加。そうして伝説の味をアップデートさせた。

『家庭料理 喜りん』ランチのインディアンオムライス中身
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『家庭料理 喜りん』オムライスを作る阿さん
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注文率は80%超え!カツレツトッピング

オムライスは、ノーマルとミラノ風カツレツのせの2種類が用意されている。約8割の客がこぞってオーダーするのがミラノ風カツレツトッピングだ。

豚ロース肉を手のひら大サイズまで丁寧に叩いて薄く伸ばし、少なめの油で1分弱、カラリと揚げ焼きする。オムライスと一緒に頬張れば、軽やかな肉の旨みがスパイシーさを程よく中和してくれる。辛いものが苦手な人でもスプーンが止まらなくなる、リピート間違いなしの逸品だ。

念願叶って蘇らせた昭和の『パッピィ』のオムライス。サクッと味わえるスピードランチとして、令和のビジネスマンたちの胃袋もガッチリと掴むはずだ。

『家庭料理 喜りん』ランチのミラノ風カツレツ インディアンオムライス
ミラノ風カツレツ インディアンオムライス900円。銀色のオーバル皿は当時使っていたものが残っており、それを持って道具屋筋でほぼ同じものを購入。スプーンにナプキンを巻き、福神漬けをのせるのは『パッピィ』流。
『家庭料理 喜りん』ランチのミラノ風カツレツ インディアンオムライスのカツレツ
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『家庭料理 喜りん』店内
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『家庭料理 喜りん』外観
3周年を迎えた、朗らかな女将・本田喜代子さんが切り盛りするおばんざい屋。女将も定年後にこの店を開いた。
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おしごとランチ、おでかけランチ

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amakara.jp編集部

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関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。