フレンチシェフが手がける、台湾ランチ定食。大阪・西天満『台湾QQ小館 老朋友』

フレンチシェフが手がける台湾料理店『台湾QQ小館 老朋友(ラオポンヨウ)』。平日のランチタイムに提供するのは、1種類のみの日替わり定食だ。実は“期間限定”という、その理由とは?

シェフの気まぐれ「本日のランチ」

大皿にこんもりと盛られた主菜に、台湾の食堂で欠かせない小皿料理「小菜(シャオツァイ)」3品、そして白ご飯を定食スタイルで供する「本日のランチ」。緑、黄、橙色の野菜たちが目にも鮮やかだ。

『台湾QQ小館 老朋友』本日のランチ
本日のランチ1200円。現地で買い付けたという白地にブルーの絵付けの皿が可愛らしく気分が上がる。
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この日の主菜は春雨炒め。キャベツやパプリカ、ブロッコリー、レモン、豚肉など、具がもりもりと盛られている。レモンのような香りがする調味料「木姜油(ムージャンユ)」、中に隠れた青唐辛子が良い仕事をして、夏にぴったりの刺激的で爽やかな味わいだ。

さらに、小皿にはグリーンサラダ、オイスターソースで味付けた豆腐椎茸、甘酢で漬けた白きくらげと大根まで。

「天満や鶴橋、木津の市場で買い付けた旬の食材を使うので、内容はその都度変わっていきます」とオーナーシェフの大谷哲也さん。

『台湾QQ小館 老朋友』本日のランチのメイン
主菜は大皿にこんもりと盛られており、ボリューム満点。ほかにも蒸し鶏の棒棒鶏ソースや麻婆豆腐、担々麺など、日によってさまざまなメニューが楽しめる。白ご飯のおかわりは+50円。
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『台湾QQ小館 老朋友』ランチの小菜(白きくらげ大根甘酢)
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『台湾QQ小館 老朋友』ランチの小菜(豆腐しいたけオイスターソース)
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追加メニューで大満足ランチに

もっとしっかり食べたい時には、日替わりの前菜やデザートを追加できる。

この日は手作り皮の水餃子をオーダー。皮は、北海道産の製パン用強力粉「春のいぶき」をベースにタピオカ粉も練り込まれているようで、皮が驚くほどにもちもち、いや、“むっちり”だ。

デザートは、北海道産大豆を使った“自家製豆乳”のプリン「豆花(トウファ)」をチョイス。舌でつぶせるくらい柔らかなピーナッツとコクのある黒糖シロップがトッピングされており、するするっと一瞬で平らげてしまう。

追加の前菜・デザートは、常時3種類ずつ用意されている。シェアしたり、自分へのご褒美にしたりと、その時々でランチ内容をカスタムできるのが嬉しい。

『台湾QQ小館 老朋友』前菜の水餃子
ランチの追加メニュー水餃子5個660円。お客の9割が女性で、白ご飯は1人当たり100gとやや控えめなため、ガッツリ食べたい時にはぜひ追加してみて。
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『台湾QQ小館 老朋友』デザートの豆花
豆花500円。この日は、スモモのコンポート バニラアイス添え600円、キャラメルカスタードプリン 台湾紹興酒の大人風味500円もラインナップ。デザートには烏龍茶が付く。
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フレンチシェフが台湾料理に挑戦した理由

『老朋友』の前身は、2008年にオープンしたフレンチビストロ『ランデヴー・デ・ザミ』。ビストロ文化を牽引してきたパリの『ラ・レガラード』や星付きレストランなどで経験を積んだ大谷さんが、初めて独立開業した店だ。

そんな西天満で16年間愛されたフレンチビストロが2024年8月、台湾料理店に姿を変えた。

『台湾QQ小館 老朋友』外観
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「いずれは別ジャンルの料理にもチャレンジしようと考えていたんです」と大谷さん。それにしてもなぜ台湾?と尋ねると「東日本大震災の時に台湾から多額の寄付があったのを知ったことがきっかけです。調べていくと親日的な人が多いことも知り、興味が湧いたんです」と振り返る。

大谷さんはこれまで10回以上現地に赴き、市場を見て回ったほか、滞在中はスケジュールをびっしりと立て、朝昼晩を2回ずつ、1日最低6軒は食べ歩いたという。

「台湾人はあまり自炊をせず3食を外食で済ませます。気取ったレストランよりも、日常使いできる食堂や屋台が多いんですよ。フレンチとはまったく違う世界でしたが、だからこそ自分にとって新しいチャレンジになると思いました」。

「そろそろフレンチに戻ります」

そんな大谷さんが手がける台湾料理には、フレンチのエッセンスが息づいている。

フランス語で「塩の花」を意味する天然海塩「フルール・ド・セル」を仕上げに使ったり、ビストロ時代から変わらない特製フレンチドレッシングをサラダに合わせたりするなど、台湾現地の記憶をベースにフレンチの要素をさりげなく忍ばせている。

『台湾QQ小館 老朋友』オーナーシェフの大谷哲也さん
オーナーシェフの大谷哲也さん。台湾料理を提供しているが、調理する様子は手つきが繊細でフレンチシェフそのもの。
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しかし、この店はもうすぐ次のステージへ向かうという。「フレンチに戻れなくなってしまうので、最初から2年という期間を決めていました」と大谷さん。

「台湾料理のシンプルな調理法は新鮮な気づきがあり、作っていて楽しかったです。既製の醤油や豆板醤を使う台湾料理に対して、フレンチは玉ネギをじっくり焦がして一からソースを作るなど、圧倒的に手間がかかる。そこに改めてフレンチの難しさと、作ることの面白さを再確認したんです」。

この経験を糧に他にはないフレンチを作り、星が付くような店を目指したいと意気込む職人気質の大谷さん。タイムリミットが迫る、フレンチシェフ渾身の台湾ランチ。既にファンの方も、行ってみたいと思っていた方も、この機会に足を運んでみては。

『台湾QQ小館 老朋友』店内
奥さまの佳代さんと2人で切り盛りしている。時期は未定だが、既に次のステージに向けて動き出しているという。
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『台湾QQ小館 老朋友』看板
「老朋友」は中国語で「旧友」という意味。前身の店名「ランデヴー・デ・ザミ」はフランス語で「友人の集まり」を意味し、どちらも“友達”にちなんで名付けたそうだ。台湾と日本の長年にわたる友好関係への思いも込められているんだとか。
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おしごとランチ、おでかけランチ

限られた時間と予算で、つい無難に済ませがちな毎日のランチ。
コスパ重視からちょっとした贅沢まで、明日行ける”ちょうどいい”一軒をご紹介。

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amakara.jp編集部

amakara.jp

関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。

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