意外な場所で見つけた。“前菜盛り”に心躍る、阿波座『compasii』の日替わりランチ

周囲に飲食店はほとんどなく、中小規模のオフィスビルや工場が並ぶ阿波座の一角。そんな場所にぽつんと現れるのが『compasii(コンパシー)』だ。種類豊富な前菜盛り合わせ付きのランチは、お昼の時間をぐっと豊かなものにしてくれる。

“前菜盛り”に心躍る、充実のランチタイム

ランチメニューは、サラダ付きのパスタランチ、「前菜盛り」付きの肉か魚がメインのランチ、そしてデザートまで堪能できるコースの全4種類。すべて自家製フォカッチャ付きで、前菜やメインの内容は日替わり。何が登場するかは、その日のお楽しみだ。

この日は、「肉のメインランチ」をオーダー。すると、プレートに可愛らしく収まった彩り豊かな「前菜盛り」が運ばれてきた。

内容は、ニンジンのキッシュ、鴨と豚バラのリエット、ウフマヨネーズ、椎茸のコンフィ、トマトと桃のガスパチョ…と、その数はなんと10種類!まさに“色んな種類を少しずつ”味わうことができ、自然とテンションが上がる。

「最初は5種類くらいでしたが、食べてほしいものを盛っていったら常に8~10種類ほどになりました」と照れ笑いを浮かべるのは、オーナーシェフの東野大輔さん。

『compasii』肉のメインランチ
肉のメインランチ2000円。前菜のキッシュはニンジンを5~6時間低温でローストするため、甘みが凝縮されて、デザートのような味わい。ワサビがふわっと香るナスのコンポート、心地よい酸味と甘みのガスパチョなど、次はどれを味わおうかと考える時間もまた楽しい。
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続くメインは、豚ロースのグリル。150gもの肉塊をズッキーニ、万願寺とうがらし、パプリカといった夏野菜と共に焼き上げ、トウモロコシのピューレを回しかける。仕上げに生のトウモロコシを散らせば、夏らしさ溢れる一皿の完成だ。

肉の表面はカリッと香ばしく、中はモチッとジューシー。トウモロコシの甘みを凝縮させたソースは後味が軽やかで、フォカッチャに付けながら最後まで味わいたくなる。前菜、メイン、フォカッチャに至るまで抜かりはなく、リピーターが多いというのも納得だ。

『compasii』豚ロースをグリルする様子
『compasii』豚ロースにソースをかける様子
野菜は、東野さんの地元・守口の無農薬野菜を中心に使う。「最適な調理法で野菜のポテンシャルを引き出すのが好き」といい、肉料理や魚料理に合わせるソースは野菜ベースのものが多いようだ。
『compasii』豚ロースのグリル
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『compasii』デザート
+500円でデザートの追加も可能。濃厚チョコテリーヌとヌガーグラッセが用意されており、「この2種類だけ作れます(笑)」と東野さん。写真は南フランス発祥の冷たいスイーツ 「ヌガーグラッセ」。メレンゲと生クリームに、ドライフルーツ、キャラメルナッツを混ぜ込んで冷やし固める。ゴロゴロ、プチプチ、ガリガリとさまざまな食感がおもしろい。
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ジャンルに縛られない、自由な店づくり

東野さんは、神戸のレストラン・カフェブランド『TOOTH TOOTH』などを運営する飲食企業「ポトマック」出身。ビストロやビアホール、カフェダイニングなどで経験を積み、中崎町にあったヨーロッパバル『BARBARA market place』では料理長も務めた。

独立し、奥さまと共に店を開いたのは2023年のこと。あえてこの場所を選んだ理由を尋ねると、「隠れ家的な店を目指したわけではないんですが、飲食店がたくさん集まる場所より、何もない場所にポツンとある方がいいなと思ったんです」と東野さん。

フレンチ、イタリアン、スペイン料理など、用意するメニューは実にジャンルレス。「好きなようにしたくて、特定のジャンルにはこだわっていません」と至って自然体だ。

そんな東野さんの感性は、店づくりにも表れている。自らセレクトしたというテーブルや椅子、照明が彩る空間は、シンプルながらも温かみがあり、つい長居したくなる心地よさが漂っている。

『compasii』オーナーシェフの東野大輔さん
実は東野さん、服飾の専門学校を卒業している。さらに、「ポトマック」入社前は5年ほどアルバイトをしながら趣味でDJとしても活動していたそう。「そろそろ定職につかねば」と思ったものの、スーツを着る仕事はどうもしっくりこなかったようで、周囲に料理人の知人がいたことも背中を押し、飲食の世界に飛び込んだ。
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『compasii』店内
インテリアへの興味も深く、照明やオブジェ、椅子、テーブルなどはすべて自らセレクト。店内では東野さんチョイスの300曲以上を収めたプレイリストを流している。
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月1回だけの“フォカッチャサンドの日”

毎月第3水曜日は「フォカッチャサンドとアラカルトの日」。ランチもディナーもメニューは同じで、いつものフォカッチャをサンド用にアレンジして提供する特別な日だ。

普段のフォカッチャは、全粒粉と北海道産小麦「はるきらり」を使ったふんわり食感。

『compasii』ランチのフォカッチャ
ランチのフォカッチャ。元はもっと大きかったが、食べきれない人が続出し、このサイズに落ち着いたんだとか。まろやかな塩味が特徴のゲランド塩とエキストラバージンオリーブオイルを利かせており、そのまま味わうのもおすすめだ。
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一方、サンド用のフォカッチャは、より水分を多く含ませ、生地を薄く平らに成形して焼き、提供前に再びフライパンで香ばしく焼き上げる。そうすることでモチモチながらも表面はカリッとした絶妙な食感に仕上げているそうだ。

『compasii』フォカッチャをフライパンで焼く様子
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この日サンドされていた具材は、ロースハム、ズッキーニのロースト、トマトのコンフィ、キャロットラペ、ナスのフムス。頬張るとトマトの水分と甘みがジュワッと広がり、マスタードソースの酸味とコクが追いかけてくる。食べ進める場所によって味が変わっていき、思わずリピートしたくなる味わいだ。

『compasii』フォカッチャサンド
フォカッチャサンド1000円~。奈良のイベントに出店した際に好評だったことからメニュー化したそう。ポルケッタやプルドポークを挟む日もある。「フォカッチャサンドとアラカルトの日」はランチタイムにもアラカルトが楽しめる。
『compasii』フォカッチャサンドを両手で持つ
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「ケチケチするのは嫌なんです(笑)」という東野さんの言葉通り、普段のランチもフォカッチャサンドも食べ応えは十分。次はどんな前菜が並ぶのか、どんな具材がサンドされるのか。その日ならではの楽しみを求めて訪れたくなる一軒だ。

『compasii』外観
夜は、自然豊かな土地で伸び伸びと育てられた愛媛県の「奥地ほうぼく豚」を使った料理の数々が看板メニュー。
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『compasii』看板
店名は、文具の「コンパス」と、共感を意味する「シンパシー」を掛け合わせた造語。「共感の輪や縁をたくさんの人と広げていきたい」という願いを込めて付けたそうだ。
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おしごとランチ、おでかけランチ

限られた時間と予算で、つい無難に済ませがちな毎日のランチ。
コスパ重視からちょっとした贅沢まで、明日行ける”ちょうどいい”一軒をご紹介。

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amakara.jp編集部

amakara.jp

関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。

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