継承される“変わらん味”の一杯
覆面調査の現場より
9月号では「揚子江ラーメン 総本店」からのれん分けた「名門」「林記」。シンプルなラーメンの味を守り続ける2店を取材した。
“変わらん”からこそ、ありがたい味
透きとおるスープに塩味をきかせた、あっさりとした味わいの揚子江ラーメン。こってりした味付けがもてはやされるなかで、酒でへろへろになった胃を優しく労わってくれるようなシンプルラーメンの存在は、ひたすらにありがたい。
名門のラーメン850円。
2020年のコロナ禍で閉店した「揚子江ラーメン 総本店」からのれんを分けた2店が、ひがし中通り商店街にある「名門」と、兎我野町の「林記」だ。どちらも、店主が総本店の味に惚れ込み、現在もそのつくり方を忠実に引き継ぐ。味や見た目がシンプルだからといって、侮るなかれ。豚と鶏をベースにしたスープは、濁らないよう常に気を配りながら、手間暇かけて煮込んだ末に完成する。
林記のラーメン750円。
「変わらん味で安心したわ」と、久々に店を訪れたというお客が話しているのが聞こえる。変わらん味がいつもこの街にあるのは、惚れ込んだ味の継承に努める店があるからなのだと、改めて実感させられた取材であった。
■店名
揚子江ラーメン 名門
■詳細
【住所】大阪府大阪市北区堂山町17-1
【TEL】06-6316-1865
【営業時間】12 :00~翌4 :00頃
【定休日】月2回日曜休
■店名
揚子江ラーメン 林記
■詳細
【住所】大阪府大阪市北区兎我野町9 -15
【TEL】06-6365-1211
【営業時間】11:30~15:00、18:00~24 :00
【定休日】日曜休
Writer ライター
あまから手帖 編集部
amakara techo