継承される“変わらん味”の一杯

継承される“変わらん味”の一杯

覆面調査の現場より

2023.08.30

文:「あまから手帖」編集部
写真:岡森大輔

9月号では「揚子江ラーメン 総本店」からのれん分けた「名門」「林記」。シンプルなラーメンの味を守り続ける2店を取材した。

目次

“変わらん”からこそ、ありがたい味 店舗情報

“変わらん”からこそ、ありがたい味

透きとおるスープに塩味をきかせた、あっさりとした味わいの揚子江ラーメン。こってりした味付けがもてはやされるなかで、酒でへろへろになった胃を優しく労わってくれるようなシンプルラーメンの存在は、ひたすらにありがたい。

揚子江ラーメン 名門名門のラーメン850円。

2020年のコロナ禍で閉店した「揚子江ラーメン 総本店」からのれんを分けた2店が、ひがし中通り商店街にある「名門」と、兎我野町の「林記」だ。どちらも、店主が総本店の味に惚れ込み、現在もそのつくり方を忠実に引き継ぐ。味や見た目がシンプルだからといって、侮るなかれ。豚と鶏をベースにしたスープは、濁らないよう常に気を配りながら、手間暇かけて煮込んだ末に完成する。

揚子江ラーメン 林記林記のラーメン750円。

「変わらん味で安心したわ」と、久々に店を訪れたというお客が話しているのが聞こえる。変わらん味がいつもこの街にあるのは、惚れ込んだ味の継承に努める店があるからなのだと、改めて実感させられた取材であった。

■店名
揚子江ラーメン 名門
■詳細
【住所】大阪府大阪市北区堂山町17-1
【TEL】06-6316-1865
【営業時間】12 :00~翌4 :00頃
【定休日】月2回日曜休

■店名
揚子江ラーメン 林記
■詳細
【住所】大阪府大阪市北区兎我野町9 -15
【TEL】06-6365-1211
【営業時間】11:30~15:00、18:00~24 :00
【定休日】日曜休

意外とコワくない北新地の鮨店、一見でも居心地の良いお初天神の酒場、ご飯が見えない天満の鰻重など、梅田にキタくなる良店満載。

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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