和食出身シェフの彩り豊かなフレンチ。大阪・和泉市『RESTAURANT Y』

大阪・和泉市の住宅街にあるフランス料理店『RESTAURANT Y』。京都・懐石料理と、フランス・星付きレストランでの経験を持つシェフが、アート作品のように美しい一皿を繰り出します。

モダンフレンチを故郷で

大阪・和泉中央駅から徒歩12分、閑静な住宅地にある『RESTAURANT Y』。重厚感のある黒い外観とは対照的に、一歩足を踏み入れるとウッド調のあたたかな空間が広がります。

オーナーシェフの三井良之さんは実は、もともと和食出身のシェフ。京都の懐石料理を7年学んだほか、和食修行も10年積んだのだとか。転向のきっかけは、大阪・淀屋橋のフレンチレストラン『ラ・ベカス』。ここでの食事に衝撃を受け、フレンチシェフを目指すことに。大阪・西天満のモダン・フレンチで2年修行し、本場で学ぶべく渡仏。3ツ星レストランで2年ほど腕を磨いた後、日本に帰国し、2017年5月、地元であるこの地にお店をオープンしたのです。

 『RESTAURANT Y』店内
右からシェフ・三井さん、母の涼子さんと奥様の智香さん。この店は両親の持ち家なのだとか。
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彩り豊かな美しいコース

メニューは、昼のおまかせコース5500円〜、夜のおまかせコース11000円〜。
食材は季節によって変更されますが、ある日の夜コースの前菜は、チーズのコクをまとった仔牛・リードボーと、滑らかなバターナッツ。まるで黄色い花冠のようで、可愛らしくも美しい一皿に思わず胸が躍ります。

『RESTAURANT Y』コースの前菜
オレンジのマーマレードの酸味と苦みがいいアクセント。
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2つ目の前菜は、エビ、ウズラの卵に、多様なキノコを使用したスープを注いだ一品。砕いたカカオ豆が添えられており、これがキノコの淡い苦味とよく合います。

魚料理は、モンサンミッシェルのムール貝のだしでいただくクエ。繊細な味わいは、和食経験が豊富な三井シェフだからこそなせる技です。

 『RESTAURANT Y』コースの前菜
椎茸やカキノキダケ、ヒラタケやシャンピニオンといったキノコの旨みがギュッと詰まったスープ。
 『RESTAURANT Y』コースの魚料理
魚料理のクエに、爽やかな蓮根のピクルスがいい口直しに。
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続くのは、フランス産の鴨と泉州でとれた里芋、ズッキーニ、オクラ「ダビデの星」などをあわせた肉料理。最後はミント風味ブランマンジェを主役にしたデザートで締めくくります。

 『RESTAURANT Y』コースの肉料理
フランス産の鴨肉に、地元産の野菜を。
 『RESTAURANT Y』コースのデザート
爽やかなデザートは、コース料理の最後にぴったり。ブランマンジェに、ブドウ、ヨーグルトのソルベ、白バルサミコのディスクを添えて。
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繊細な味わいもさることながら、まるで芸術作品のように美しい一皿は一度食べたら忘れられないはず。少し足を延ばしてでも訪れてほしいレストランです。

『RESTAURANT Y』看板
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amakara.jp編集部

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関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。