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兵庫・西宮で獲れたジビエを堪能、ジビエ好きの隠れ家『ハンターズキッチン麓』

西宮市北部の山麓で猟師が獲った鹿や猪を、地元で美味しく味わうことができる小さなレストランが2026年5月に誕生した。しかもオーナーが猟師とか。丹波篠山や三田の猪は有名だが、西宮でも鹿や猪が獲れるとは! 阪神西宮駅に程近い『ハンターズキッチン麓』を訪ねた。

森へと誘われるシックな空間

ドアの取っ手は大きな鹿の角。わくわくしながらドアを引いて中に入り、さらにもうひとつのドアを開けるとダイニングスペース。木の存在感溢れるカウンターとテーブルがあるだけのモノトーンの店内で、ひと際存在感を放っているのは、壁に飾られた大きな鹿の頭部の剥製と鉄砲の形のワインボトル。その空間で迎えるのが、シェフの渡島健一さんだ。

『麓』の店内
鹿の頭部の剥製や鉄砲を飾ったモノトーンの店内。カウンターは西宮市のシンボル、クスノキの一枚板が使われている。
『麓』の店内
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季節問わず提供するジビエコースは、当日17時までの完全予約制。まず最初に出されるのは「森林浴茶」。松葉や黒文字、杉やヒノキなどの、伐採木の木片や葉っぱがブレンドされた兵庫県産のお茶。爽やかな香りと澄んだ味わいが口の中に広がって、一気に森の中に誘われる。
アミューズ盛り合わせは「猪のリエット」と「鹿肉の有馬煮」。「最初からジビエを食べてほしいですが、肉だけでは食べ疲れますから」と、添えられた「白身魚の南蛮漬け」の酸味がアクセントになっている。

『麓』のアミューズ
料理は11000円のコースから。アミューズ盛り合わせ。左から時計回りに猪肉のリエット、鹿肉の有馬煮、白身魚の南蛮漬。
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メインは鹿肉と猪肉料理の2皿で

冷前菜、スープ、瀬戸内の旬魚の魚料理と続き、いよいよ「本日の鹿肉料理」。取材時の「鹿肉のロースト」は、蕪のソース、アプリコットとポルト酒のソースで。「鹿肉はベリーのソースを合わせることが多いのですが、土っぽさを感じられる蕪と、酸味のあるアプリコット、2種類のソースで異なる味わいを楽しんでいただきます。肉の旨みをダイレクトに感じてもらいたいから、あえて野菜を添えていません」と渡島シェフ。低温調理して肉汁を逃さず、しっとり仕上げた鹿肉は柔らかく、優雅な風味。

『麓』の鹿肉のロースト
鹿肉のロースト。蕪のソースで土の風味を、アプリコットとポルト酒のソースで華やぎを添える。2つの異なる味わいが鹿肉本来の風味を引き立てる。部位はその時々で変わる。
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続く「本日の猪肉料理」は、クスノキの根元を輪切りにした木皿に盛られた「猪肉のグリル」。甘酸っぱいビガラードソースは千鳥酢を使ってまろやかに仕上げてあり、噛むほどに味わいが増す猪肉を際立たせる。添えられた生コショウと共に、ワイルドな味わいを堪能する。
肉料理2皿の後は、パンナコッタなどのミニデザートで締めとなる。まだお腹に余裕があるなら、鹿肉と猪肉を使ったジビエカレーの追加がおすすめだ。

『麓』の猪肉のグリル
猪肉のグリル。脂の旨みが口の中に溢れる。ビガラードソースのキャラメルのような香ばしい苦味と千鳥酢を使ったまろやかな酸味が寄り添う。
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「鹿肉の赤ワイン煮込み、猪肉のビール煮込みなど、煮込み料理もお出ししますよ」と渡島シェフ。様々な部位を多彩な料理で楽しめ、西宮ジビエの奥深さにハマってしまいそうだ。また、ジビエに合うワイン、西宮の地ビールや日本酒といったドリンクも多彩。日本酒飲み比べセットや、ジビエに合うよう4種をブレンドしたオリジナル日本酒まであるのもユニークだ。

『麓』の渡島シェフ
酒蔵とのコラボイベントや、猟師を招いての食育イベントも企画中だ。
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西宮愛溢れるシェフのジビエ料理

渡島シェフは、地元・西宮市出身。ホテルに就職し、様々な部門で働いた後、イタリアンやワインバー、ケータリング会社などの経験を積んだ、多彩な経歴の持ち主である。「現役猟師であるオーナーと出会うまで、僕も市内で鹿や猪が獲れるなんて知りませんでした。地元出身者として、西宮のジビエが自慢できるよう、またジビエが苦手という人にも美味しく食べてもらえるよう工夫していきます」。

『麓』の渡島シェフ
「店に処理場が併設されているので、鮮度が違うし、あらゆる部位が手に入る。どう調理しようか、僕自身も楽しみです」。
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こちらはジビエの処理場を併設しており、獲れた鹿や猪を迅速に処理することができる。また、内臓など、すべての部位を使うことが可能なのだ。
今冬、『麓』では最初のジビエシーズンを迎える。「鹿や猪の内臓料理や鳥の料理も挑戦していきたい」。多彩な経験を持つ渡島シェフからどのようなジビエ料理が生み出されるか、期待が高まる。

『麓』の外観
真っ黒い外壁に、木製の看板と鹿の角の取っ手が印象的。
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