だし呑みでぬくもる『饂飩とお酒からほり きぬ川』

だし呑みでぬくもる『饂飩とお酒からほり きぬ川』

飲み会手帖

2022.12.26

文:「あまから手帖」編集部・足立琴音 / 撮影:高見尊裕

空堀商店街にある『饂飩とお酒 からほり きぬ川』を訪れると、うどんだしの効いたおでんや、サクサクの天ぷらをアテにお酒を楽しむ方々が。シメはもちろん、おうどんで。体の芯まで冷え込むこの季節に、うどん呑みはいかがですか。

目次

どんな日本酒も包み込む「おだし」 おでんをアテに、シメはやっぱりおうどんで 店舗情報

どんな日本酒も包み込む「おだし」

日本酒好きの店主・衣川猛さんは、店を移転した2011年頃、うどんだしと共に日本酒を楽しむ店づくりを始めた。
「まだ日本酒ブームも来ていないころで、うどん屋なら敷居は高くならないと思って」
移転のきっかけは、空堀商店街にある『こんぶ土居』の道南産真昆布に魅了されたこと。同じ昆布でも、割烹や料亭で使う極上品を仕入れており、こうしただしの土台があるからこそ、うどんそのものの旨みも引き立ち、おでんなどへのアレンジも効く。
「うちのだしは包容力があって、パンチのあるものも含めて大体の日本酒に合います」
リピーターが多いのは「小松人純米無濾過生原酒」。甘みと旨み、酸味のバランスがよく、飲みはじめは華やかでありながら、のちにすっとキレる味わいだ。

「きぬ川」店主の衣川猛さんだしも人柄を表す、と思わせる柔らかな物腰の衣川猛さん。

おでんをアテに、シメはやっぱりおうどんで

「おだしと油が生かせる料理ができれば」という衣川さん、天ぷらの油にも相当なこだわりが。圧搾した菜種油「赤水」と上品な風味の綿実油をブレンドし、常に品質が保たれるようこまめに入れ替える。それゆえ揚げ物はサクサクと口の中で心地よい。
この揚げ物とおだしを組み合わせたアテが「おでんコロッケ」。提供時は揚げたてのサクサク感を楽しんで、徐々にだしの染みていくコロッケを切り崩して食べる。最後にはコロッケの溶けただしごと飲みほしてしまう。シメは『土居』の白とろろ昆布を使った「白昆布うどん」で。これもまた、とろろ昆布にうどんを絡めると、まろやかな味が広がっていく。

白昆布うどん、おでんコロッケ、日本酒「小松人」。白昆布うどん800円。おでんコロッケ350円。日本酒は「小松人純米無濾過生原酒」。半合500円、一合1000円。

店内を見渡せば、一人でしっぽり呑む人も、複数でうどんを啜る人も。息も白くなるこの季節、ほっこりうどん呑みで冷え切った体を喜ばせたい。

■店名
『饂飩とお酒 からほり きぬ川』
■詳細
【住所】大阪市中央区谷町7 -6 -35
【電話番号】06-6761-7744
【営業時間】11:20~14:00、17:30~20:00
【定休日】月曜夜、火曜
【Instagram】https://www.instagram.com/karahori_kinugawa/

あまから手帖/2023年1月号
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Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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