【あまから倶楽部】会員限定食事会 退蔵院×木乃婦

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「特別をあなたへ」。あまから倶楽部会員向けに行われた食事会。臨済宗大本山の7つのひとつ妙心寺、46の塔頭でも1404年に開山した屈指の古刹「退蔵院」で実施しました。

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写真右下/創業280年以上を誇る胡麻油の老舗メーカー『竹本油脂株式会社』のブース。冊子「ごま油の四季」は1986年創刊。年4回発行する歴史あるPR誌としても注目される。

木乃婦三代目主人・高橋 拓児さん出演
人にしかできない仕事=美徳を胡麻豆腐に込める

退蔵院を貸切にして行われた会員限定の宴席。料理は京料理木乃婦の「あまから手帖特別メニュー」が供された(※献立参照)。五色を盛り、五味を工夫した丹精なお弁当。高橋さんは「食材に“走り、旬、なごり”を盛り込み食すことで、季節の移ろいを感じ、冬に向かう身体を整える役割もあるんですよ」と、季節の料理、食材を食す意味を解説。また禅寺での開催ということもあり、高橋さんがここ数年取り組んだ精進料理の研究“制約のなかで見えてきた「ものの本質=オリジン」の追求”についてのエピソードも披露された。
そんな献立の中で先付で供された胡麻豆腐について、高橋さんが想いを語った。「胡麻豆腐は食感と香りの料理。時節、機械化が進み練る機械も数百万で販売されています。人件費を考えると安いのかもしれません。しかし、練り上げる最後の5分、そこで大きく味が変わります。技術と感、人にしかできない仕事=美徳があるんです」と。ギリギリの固さ、喉越しを考えた滑らかさ、参加者は木乃婦流胡麻豆腐に納得。また「精進料理ではよくゴマを使います。その香りだけでない、油自体の美味しさを感じて欲しい」と、穴子の飛龍頭には、ごまを煎らずに生のまま搾って製造する竹本油脂のマルホン太白胡麻油を使用するなど随所に工夫がなされたお弁当になっていた。

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食べ手と作り手の良い関係
互いの思い遣りのポイントは?

食事後のトークショーには、弊誌編集顧問・門上武司が進行役として登場。料理解説に続き木乃婦・高橋さん、妙心寺 退蔵院の副住職・松山大耕さんが出演し、禅と精進料理の関係や、互いの修業時代の笑い話などについて話が進んだ。
その中でも参加者の興味を惹いたのが“食べ手と作り手の良い関係”。「一番良いお客さんはどんな方?」と門上顧問の質問に高橋さんは「回数来てくれる方です」と会場の笑いを誘った。実際両名が共通するポイントは“綺麗に平らげる”こと。松山さんは「料理をさらえない盛付は残念。食べ手のことを考えていないようにとられてしまう」と。高橋さんは「器を綺麗に使ってもらえる方は素晴らしいと思います。そのために皆敷などはできる限り食べられる大葉や大根を使っています」とコメント。料理だけでなく、過ごす時間を大切にして欲しいからと、木乃婦では来店された方の細やかなメモについて披露し、参加者から感嘆の声が上がった。

非公開の書院を貸切りに
「元信の庭」など見どころ愛でる

トークショーの後は参加者が自由に退蔵院を散策。普段非公開である「元信の庭」は、“不変の美”をテーマに常緑樹で構成されており、室町時代に絵師である狩野元信が設計した珍しいもの。その他、昭和の小堀遠州と言われた造庭家・中根善作の庭など退蔵院ならではの造園美を満喫いただいた。最後には色付き始めた木々に季節を感じ、一服のお茶とお菓子を愉しんでいただきながらゆったりとした一日を過ごしていただいた会となった。

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